予材管理の現場から 予材管理ブログ

令和2年、営業を待ち受ける未来

コンサルタントの水田です。

「あ~、なるほど、そういうことか!」

先日、弊社の研修旅行に行った時のことです。

弊社の研修旅行は年に2回実施され、その旅行先は毎年「沖縄」と「八ヶ岳」に固定されています。

旅行といえば、「常に新しいところに行った方が楽しい!」。
そう思う人も多いと思います。

私も多くの皆様と同様に、旅行に行くなら毎回違うところに行きたいと思うタイプです。

しかし、弊社の研修旅行は代表の横山の意向もあり、毎年同じ場所に行くようにしているのです。

この社内の研修旅行は、当初メンバーが5名しかいない時からスタートしました。

元々は合宿研修を企画するために、視察がてらあるリゾートホテルに宿泊したことがきっかけだったと記憶しています。

その時から始まった研修旅行・・・
思い起こせば、その期間は5年になったのでしょうか?

「沖縄」と「八ヶ岳」に5年連続、研修旅行を行っているのですが、繰り返し同じ場所に行くことで、あることに気づいたのです。
 

連続体験で気づいた旅行ニーズ

当初、メンバーは5名でしたが、そのメンバーの数は毎年増えていき、現在は15名にまで拡大してきました。

毎年、人数が増えることにより、研修旅行は大いに盛り上がっていきます。
そして何度も同じ場所に旅行に行っていると、「昨年はこんなことで盛り上がった」「あの時の飲み会はひどかった」など、だんだん過去の思い出話に花が咲くようになってきたのです。

元々は、常に新しい場所に行きたいタイプだった私も、何度も同じ場所にきて、同じ場所で過去にあった出来事の話をする。

こんな楽しみ方があったのかと、繰り返し同じ場所に旅行に出かける意味を理解したのです。

「そうか旅行ってこういう楽しみ方もあるのか・・・」
「こういう楽しみ方って、普通に旅行に行くよりもいいかもしれない・・・」

そう考えていると、ある事象と紐づいたのです。

「ホテルの会員権を購入する明確なニーズが分かった!」

元々、ホテルの会員権というのは以下のようなニーズで購入していると考えていました。

・法人が社員の福利厚生のために購入している
・富裕層が総額の旅行費を抑えるために購入している
・富裕層が安心できるサービス品質(接客など)を求め購入している

しかし、毎年同じ場所に行き続けるニーズに何となくしっくりきていなかったのですが、その時、明確に理解できたのです。

ホテルの会員権というのは、本当に仲の良い夫婦が、昔の思い出を、同じ場所で、何度も語り合う。

この上質な体験を求めに会員権を購入するのか・・・これは体験しなければ気づけなかったニーズかもしれません。

時代の潮流を体験していますか?

ここ最近、AIやIotや5Gなど最新技術の話題がよく新聞紙上を賑わせています。
つい最近までスマホ決済を導入していなかった私もようやく導入して使用しています。

前から存在は知っていたものの、何となく新しい技術にそこまで興味がなく、そのままにしていたのですが、さすがに時代の潮流に乗っておかないとコンサルタントとしてまずいかと思い導入したのです。

私は今年で42歳になりましたが、私と同じ世代、もしくはもう少し上の世代は私と同じような感覚を持っていると思います。

今の最先端な技術の存在は知っているものの、何となく受け入れがたい。

なぜなら、我々が世間一般で働くようになった時代はまだIT革命があったとはいえ、まだまだ昭和の香りが漂う職場環境。

情報ツールといえば、新聞やビジネス本だった紙媒体だった時代。

営業活動も飛び込み、テレアポなど、アナログが根強く残っていた最後の世代。

そんな過去の体験から、デジタル系の話に実は知っているフリだけしてついていけてないという人も多いのではないでしょうか?

しかし、このデジタル化が進展する中、この潮流を体験し、顧客のニーズを理解していないと大変なことになりかねない。そんな事実が近づいていることを理解しなければならないのです。
 

最新技術による業界の構造変化

現在、こういったデジタル化の市場は年々大きくなっています。

例えば、EC市場の現在の市場規模は18兆円(2018年)。
これは2013年のEC市場と比較すると1.6倍にもなっています。

また、日本のEC化率(総需要に対するEC購入の比率)は6.22%と、同じ先進国の米国が10%超していることを考えると、まだまだ伸びしろがあります。

前述のスマホ決済も近年、急激に普及し、対応できていないお店は少し不利になっている可能性があります。

こういったデジタル化の進展は、ある分野では業界構造を揺るがす存在にもなっています。

例えば、VR技術(仮想現実)。

分厚い水中メガネのような物体を目に当て、何かを楽しんでいる姿はいくらあなたがデジタル嫌いであったとしても見たことぐらいはあると思います。
そうあの水中メガネのような物体で見える映像がVR技術。

CGで作られた仮想世界に入り込みファンタジーやSFなど非現実的な世界に入り込みゲームを楽しむことができるのです。そのCGを現実に近い世界に作りこめば、部屋にいながら他の空間を楽しむことができるという世界がやってきたのです。

このVR技術が発達することにより市場規模が小さくなると懸念されているのが旅行業界。

実際に現地に行かなくともVRを通して旅行に行けてしまえば、旅行人口が減るのではないかと予想されているのです。

そんな馬鹿な!と思うかもしれませんが、ここ最近のミレニアル世代やZ世代は飲み会をZOOMで終わらせるような世代。

リアルな空間ではなくデジタルな空間でも十分に同じ空間を楽しめるという世代です。

このVR技術が発展すれば、旅行業界は本当に大打撃を与えられかねないのです。
 

代替品の脅威を逆手に取ろう

このデジタル化が進展していく中で、代替品という競合が現れる可能性が非常に高くなってきました。

先程の旅行業界ならVR技術、コンサル業界ならエドテックといわれるeducation(教育)+technology(テクノロジー)という存在。

農業機械の分野でもドローンによる肥料散布を代表するようなスマート農業。

あらゆる業界でデジタル化が進展しています。

その対策には、デジタル技術の進展によってどんな脅威があるかを想像する。

そして、その脅威が特定できれば、その脅威を封じ込めるためにその代替品に参入するという戦略が有効です。

そしてその戦略は競合がかなり力をつけてから参入していては手遅れです。

手遅れにならないためにも、常にデジタル化の脅威にアンテナを張っておく必要がありますし、そういった情報をいち早くキャッチアップできる情報源を持つ必要性があります。
 

デジタル化への脅威への対策

デジタル化のような業界構造を揺るがすような出来事にどのように対処していけばよいのでしょうか?

それは常に攻め続ける姿勢が大切です。

何かしらの脅威が出てきてから対策するのではなく、自分たちでその分野に先んじて参入していくのです。

そのような姿勢を組織が持つようにするにはどうすれば良いのでしょうか?

それは営業組織に常に攻めることを考える習慣を与え続けることです。

予材管理のような白地を描くという行為は、まさに営業組織に攻める思考習慣を植え付けるツール。

こういった仕組みを使って常に攻める営業組織を作っていけば、おのずとデジタル化という脅威を機会に変えるようなビジネス展開ができるでしょう。

あなたはデジタル化を脅威と捉えますか?機会と捉えますか?

その答えが前者なのであれば攻める思考習慣になっていないかもしれません。

デジタル化が脅威とならないように、あなたも攻める思考習慣を身につけてみてはいかがでしょうか?