予材管理とは

予材管理を学ぶ(初級)


予材管理の「予材」って?

「『よざい』管理で営業が良くなるって聞いたんだけど、『よざい』って一体なに?」書籍やコラムなどで目にするこの「予材」、一体どんなものかご存知ですか?

実は余った財産(余財)でも、余分な材料(余材)でも、はたまたあの余罪でもありません。

予材とは、未来の売上になる営業の予定材料のこと。予め仕込む材料だから、「予材」と言います。そして予材管理とは、この予材をマネジメントし、営業活動を行うことで「最低でも営業目標を達成」するマネジメント手法です。

 

目標の2倍の材料で目標未達成リスクを回避する

予材管理の目的は、「最低でも営業目標を達成すること」。ですので、あらかじめ目標の2倍の予材を積み上げ営業活動を行うことで、目標未達成リスクを下げ安定的な目標達成を実現します。
(※参考:なぜ目標の2倍なのか?)

目標の2倍の材料を積み上げ予材管理を行うことで、2つのメリットがあります。

1.リスク分散できる
2.複利効果が得られる

1.リスク分散ができる

予材管理ではポテンシャル分析をしたお客様に対し、継続的に接点を取り続けます。場当たり的なフォローや一部のお客様のみしかフォローしないということがなくなり、一部の顧客からの売上に頼りきっている…という状態から脱却することができます。

また、明確なマネジメントルールによって、営業全員が予材を管理するので、個々の営業スキルに左右されにくく、売上が特定のエリアやトップセールスに偏っている・依存しているということがなくなります。

2.複利効果が得られる

予材管理では「今月(今期)、どうすれば受注できるか?」という場当たり的な対応ではなく、中長期的な視点でポテンシャルのあるお客様と接点を持ち続け、お客様との関係資産を築いていきます。

このような活動を続けることで、予材は雪だるま式に溜まっていきます。そうすると、徐々に営業担当者の心に余裕や自信が生まれ、「意欲的に営業活動に行くようになる」「お客様とのトークでイキイキしている」という好循環が生まれます。

 

マネジメントする予材は3種類

予材管理では営業材料(=予材)を3つに分けてマネジメントしていきます。

1.ほぼ100%受注できる「見込み」

「見込み」とは、お客様やマーケットから、確実に受注できる予材のことです。

「口頭で既に内示をもらっている」「毎月リピートオーダーが決まった数だけある」など、確実に金額を計算できる材料です。「見込み」は原則、100%実績に繋がっていると考えてください。

2.受注していないけど、お客様も認識している「仕掛り」

「仕掛り」とは、お客様に対し具体的に提案を行っている予材のことです。

受注確立が50%以上なら仕掛り…というわけではなく、お客様が認識している見込み以外の予材はすべて「仕掛り」になります。一般的に案件・商談と呼ばれるものが「仕掛り」にあたります。

3.今期、取り組みたいと思っている営業の仮説「白地」

「白地」とは、その名のとおり真っ白な予材のこと。

お客様にポテンシャルがあり、今期チャレンジしたいと思っている予材が白地です。新規・既存顧客に関わらず、具体的な提案をしていないものはすべて白地になります。
※参考:3種類の予材で営業活動を見える化する

 

普通の営業マネジメントと何が違うの?

「うちの会社でもSFAで『商談管理』しているけど、予材管理って何が違うの?」

一般的に行われている営業・マーケティング活動の案件・商談管理は、具体的に発生しているものだけ(=見込み・仕掛り)を管理しています。既に発生している案件、つまり見えるものだけを管理しているので、営業活動にヌケ・モレが発生しやすいというデメリットがあります。

また営業担当者が、

「この案件は受注できそうだから、SFAに入力しておこう」
「あの商談はお客様の反応がイマイチだったから、どうせダメだろうしなかったことにしよう」
というように、自分が見せたい案件だけを報告しているケースも多く、営業活動がブラックボックス化していることも少なくありません。

一方、予材管理ではまだ商談になっていない予材(=白地)も含めて予め積み上げ管理します。

商談化していない潜在的な材料まで含めマネジメントすることで、まだ商談まで行っていなくても、「あの白地のお客様の状態はどうかな?」「そろそろ訪問して、アプローチできそうか確認しよう」などと、営業担当者が考えるようになります。

予材管理をはじめた企業様からは、

「引き合い対応だけしかしていなかった営業が、能動的にアプローチするようになった」
「営業活動のヌケ・モレが少なくなった」
「訪問しっぱなし、提案しっぱなしが減り、フォローしやすくなった」
などというお声を多数、いただいています。
(※参考:予材管理でわかる3つのポテンシャル

 

なぜ、予材は目標の「2倍」なの?

目標を達成させるために、目標を超える予材が必要なのは理解できるけど、「なんで2倍も必要なの?」

これは予材管理に関する質問で、最も多い質問です。理由は4つあります。

1.シンプルでわかりやすい

最低でも目標を達成するために、目標未達成リスクを回避する。これが予材管の基本的な考え方でしたね。この目標未達成リスクを回避するのに、「2倍くらいあれば、大丈夫だろう」とざっくりと考えるのが、予材管理の発想です。

保険や自動車、住宅販売など、企業ではなく個人を対象にした業態では、目標の2倍以上積み上げないとリスクヘッジにならないケースもあります。

個人向けビジネスの適正な予材の量は、予材管理コンバージョン率から逆算していきます。

2.組織全体で目標達成できる

予材管理は、組織全体で目標達成させる手法です。

組織全体でということは、実績が既に目標を超えているトップセールスも、入社1年目の新入社員も分け隔てなく、全員が2倍の予材を仕込むのがルールです。

全員が100%以上達成できるのが理想ですが、現実では難しいこともあります。新入社員が100%を割り込んでも、他のメンバーでカバーできれば、組織全体として目標達成することができます。組織で目標を達成するために、全員が2倍の予材を仕込みましょう。

3.達成主義の発想で営業活動ができる

目標達成に対する受け止め方は、大きく2つあります。「完璧主義」と「達成主義」です。

「完璧主義」とは文字通り、完璧をめざす考え方です。目標を頂点と捉え、例えば70点で合格できる資格試験の場合、ぴったり70点を目指すのがこの完璧主義者です。

完璧主義者の中には、目標を大幅に超えると「もったいない」と感じる人も多く、最短距離でちょうど目標に行くように計画する傾向にあります。

一方、「達成主義」は最低でも目標を超えればいいという発想です。達成主義者にとっての目標は通過点に過ぎず、70点で合格できるのなら、「最低でも70点は超えるように。なんなら余裕をもって85点ぐらいとる勢いで!」という感じで考えます。

予材管理もこの「達成主義」に基づき、「材料を2倍積んで、結果的に1.2倍や1.3倍になっても達成したならいい」と大雑把に考えます

大雑把に、そして大胆に考えることで、営業活動に対する初動スピードも、エネルギーも完璧主義者より早く、大きくなります。予材管理をはじめることで、「完璧主義者」だった人もだんだんと達成主義で考えるようになり、営業組織の行動スピードが変わっていきます。

4.チャレンジする習慣ができる

人には「未知のものを受け入れず、現状のままでいたい」という心理的な欲求「現状維持バイアス」というものがあります。

これまで目標未達成があたりまえだった組織の人は、この現状維持バイアスがかかっていて、新しいチャレンジを拒否する傾向にあります。残念ながらチャレンジをしない限り、白地は生み出すことはできません。

現状維持バイアスを外すには、営業部が一見、「到底、仕込むことができない」「こんなの無理」と思うほどの予材量を設定するしかありません。だから「2倍」必要なのです。

2倍の予材を仕込もうとすると、今までと同じやり方・考え方では上手くいきません。営業担当者ひとりひとりが新しい販促方法を考えたり、お客様や営業活動そのものを見直すことも出てきます。その結果として、創意工夫する習慣や新しいことにチャレンジする習慣が身につき、現状維持バイアスが外れていきます

 

まとめ

予材管理を学ぶ(初級)では、予材管理の概要と基本的な考え方をご紹介しました。いかがでしたか?

中級編では、予材管理を行う上で具体的に押さえておくポイントを解説していきます。

中級編では、実践を交えてご紹介しますので、まず予材管理を行う上で、必要不可欠なツール「予材管理シート」をこちらからダウンロードして中級編に進んでくださいね。

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