予材管理の現場から 予材管理ブログ

営業の「思い込み」がなくなれば、予材はグッと増えます


予材管理クラウドサポートスタッフの村瀬です。

中堅食品卸会社に所属する50歳代の営業パーソンTさんとお話していた時のこと。

なかなか白地が積みあがらないため、「どんなところに白地はありますかねぇ」と問いかけたところ、「白地なんてない!今の客のお世話で、手一杯なんだ。新しい客に会いにいく時間なんてない!!」とのこと。

「本当に新しいお客様へ訪問する時間がないのか」は置いておいて、そもそも、「既存のお客様の白地」を考えているかが心配になりました。

よくよくお話をお聞きしてみると、既存のお取引先様を訪問しても、すでに先方が購入している商品のリピート受注を取ってきたり、お客様からのオーダーをとりまとめるだけで、Tさんから提案活動は行っていないようでした。

そこで、「お客様に、評判の良い食材や流行の食材をご提案していらっしゃいますか?」と質問すると、「そんなこと、向こうが必要だと思ったときに、お客様からオーダーがあるでしょ」とのこと。

引き合い対応だけでは「白地」は生まれません!

こんな思考パターンでは、いつまでたっても、白地は生まれません。

「何をご提案したら、このお客様は喜んでいただけるか、考えていますか?お客様が喜んでいただけそうな商材は、全て提案済みですか?」

そう、私が問いかけると、Tさんはだんまり。

それでも、半年間、上記のことをお伝えし続けたところ、 Tさんはお客様を訪問したら、今まで取り扱っていない商材を何か一つはご紹介するようにしたそうです。

すると、「おたくは、こんな商材も扱っているんだね」と、新たな注文が入り始めたそうです。

この経験を踏まえて、今では、このお客様にはこういった商材が喜ばれるのでは、とTさんご自身で「仮説」をたて、顧客訪問に臨んでいるそうです。

新しいお客様と取引を始めるよりも、すでにお取引を行っているお客様から新しい注文を頂くほうが、受注までの営業の労力は少なく済むのが一般的です。

既存のお客様には本当に白地がないのか、営業担当者の方の言葉に惑わされず、問いかけ続けることの大事さを改めて認識した一件でした。