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考え抜いた仮説をお持ちですか?


予材管理クラウドサポートスタッフの北村です。

最近、「白地」を書いても上手くいかない営業パーソンと話していると、前職で部下との面談に奮闘していた頃のことを思い出します。

私は大学を卒業して営業会社に就職し、10ヵ月で主任になりました。
新卒で主任という立場になり、部下との面談と言われてもやり方も分からず、初めはただがむしゃらに向き合っていたのを覚えています。

なんとか部下の状況は把握しても、どうやって数字をやらせるのか道筋が立てられていない。
時には、「とにかく励まそう!とりあえず面談をして話を聞いてみよう!」と
意気込みだけは立派に闇雲に動いてみたり…。
今考えてもあの当時の部下には申し訳ないことをしたなと心から思います。

試行錯誤を繰り返し、部下の育成ができるようになってからは、面談の前の「準備」が欠かせませんでした。

部下育成で欠かせない「準備」とは?

準備とはなにか?

「論拠」のある「仮説」を立てることです。

事前に部下のありとあらゆる分析をします。
過去から現在の営業成績、現在の見込み顧客状況や活動状況、性格やプライベートに至るまで、とにかくあらゆる情報を集めます。

そしてその情報を元に「この人が抱えている課題(問題)はなんなのか。」
「その課題を解決する為にはどうしたらいいのか。そのために私は何ができるのか。」
という「仮説」を立てるため、自分の中でさまざまな切り口から考えに考え抜くのです。

そして仮説を立てたら次は
「この仮説があっているのかを確かめるために、面談でどういう話の展開をしていこうか。」
という面談時のアプローチ方法を考えて準備完了です。

時間をかけるわけではありません。とにかく考え抜くのです。

部下との面談は仮説の「答え合わせ」

そして自分の頭の中を整理したら、仮説が合っているのか面談をして確認していきます。
その際、必ずしも仮説通りとは限りません。
面談をしていくうちに、部下から違う課題を聞き出せたりすることも多々ありました。
しかし、それはそれでいいのです。その課題に対してじゃあどうすればいいのか、何ができるのかを考えればいいだけのことです。

面談後は「こういう仮説を立てたが結果はこうだった」と自分の中にデータが蓄積されていき、次の面談に活かすことができます。
仮説が合っていた時は事前に準備した“論拠”に基づいて導いてあげるだけです。

部下育成と営業活動の共通点

私のこの方法が正しかったか否かは別として、この一連の流れは「白地」を考える時と同じだなと感じます。

白地という「仮説」を正しく立てる時、お客様の分析をし、「このお客様はどんな課題を抱えているのだろう?」と考えます。
そして、「うちならその課題を○○で解決できるぞ!!」という仮説を立て、アプローチ方法を考える。

準備が整ったら考えた仮説を持ってお客様先に伺い、自分の立てた仮説が合っているのかを確かめる。
まさに私が面談前に行っていた流れと全く同じです。

そして「白地」書いても上手くいかないという営業パーソンはまさに主任になりたての頃の私にそっくりなのです。

私が「部下の調子が悪いようだ」という“状態”だけ把握し、数字をやらせる道筋を立てられていなかったのと同じように、「お客様が○○で困っているようだ」というところまで考えて終わってしまい、「じゃあ、自分はどうお役立ちできるのか」までを考えていない。

私が、「とりあえず励まそう!」と何も考えずに面談し失敗したように、「とりあえず、訪問してみよう!」と何も考えずに訪問し収穫を得られず終わってしまう。

まずは「整理」し「考える」習慣を手に入れよう!

これでは、訪問されたお客様も時間だけ取られ、課題は残ったまま。
かわいそうですよね。(主任初期の私の部下のように)

まずは自分の頭の中を整理し、考え抜くこと。
状態把握や意気込みだけ準備するのではなく、最後まで考え抜き、「“論拠がある”仮説」を立てることが大切
です。

仮説が合っているか否かは問題ではありません。まずは考え抜くことが大切です。
自分で考え抜いた仮説があったら、実際はどうなのか確かめに行きたくなりませんか?

考えることによって営業活動が楽しくなり、成功事例が増えれば自信にもつながっていきます。
きっと話すときも堂々と話すことができるでしょう。
ぜひ一度自分の白地に論拠があるか確認してみてください。