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ワールドカップ初戦で日本がコロンビアに勝てたワケ

2018年06月27日

コンサルタントの酒井です。

みなさん、ワールドカップはご覧になっていますか?サッカー好きの方の中には、深夜遅くまで(朝方まで?)テレビ観戦しているという方もいらっしゃるかもしれませんね。

という私も幼いころはJリーガーを夢見るほどのサッカー少年でしたので、4年に一度のワールドカップは楽しみで仕方がなく、ついついテレビに釘付けになってしまいます。

ご存知のように、日本サッカー協会は大会2ヶ月前のタイミングで、ハリルホジッチ監督を解任し、西野監督体制で大会に臨む決断をしました。

この一連の監督交代劇については、国内外で賛否両論が入り乱れました。(私の見解は以前ブログで書きました。ハリルホジッチ解任から考えること

監督交代を前向きに受け入れた方のなかにも、大会前のテストマッチ2戦での惨敗。そして選手選考においてベテラン重視で有望な若手を外したことで、否定的な考えに変わったという方もいらっしゃったかもしれません。

そんななか迎えた初戦・コロンビア戦。

開始3分で相手が1人退場となる幸運に恵まれたとは言え、日本代表の選手たちは、それぞれがやるべきことをやり切り、与えられた役割を果たした結果、見事に勝利を収めることができました。

勝つためには仮説が必要

サッカーというスポーツは相手があるスポーツです。自分たちがやりたいサッカーをすれば勝てるスポーツではありません。

相手チームを分析し、強い点をいかに消すか、また弱点にいかに漬け込めるかを考え、勝利を目指すスポーツです。

日本がグループリーグで戦う相手はいずれも格上の相手。FIFAランキングでは、ポーランド8位、コロンビア16位、セネガル27位に対して日本は61位ですから、どのチームも簡単に勝てる相手ではありません。

その相手から勝ち点を獲得し、グループリーグを突破するためにはどのような戦い方をすればいいのか。西野監督はグループリーグを突破するために必要な戦略を考え、選手を選考し、テストマッチを経て、考えに考え抜いた結果、ベストと考える先発11人のメンバーを決定しました。

「この11人を各ポジションに配置し、それぞれに役割を与え、彼らがやるべきことを実行すれば勝ち点を獲得できるのではないか」

このゲームに臨むまでの思考プロセスのことを「仮説」と言います。

営業を例に上げてみましょう。お客様に商品を購入いただきたいと思っている2名の営業パーソンがいます。

一人の営業パーソンは、お客様に対して以下のように考えます。

「お客様は、こんなことに困っているんじゃないか?」
「であれば、こんな提案をすれば興味をもっていただけるんじゃないか?」
「昼間は忙しくて連絡がつかないけど、朝一番なら連絡がつくんじゃないか?」

もう一人の営業パーソンは、あまり考えずに行動します。

「今月売らないといけない商品はコレだから、最近やり取りしたリストに連絡しよう」
「反応がいまいち良くないから、この商品のニーズはなさそうだな」

前者の営業は「仮説」を立てていますね。一方、後者の営業パーソンは「仮説」を立てずに行き当たりばったりで行動していますね。

営業もサッカーと同じ、相手があります。

営業側が相手に対して主導権を握り、相手を動かしていくためには、予め仮説を定めておくことが必要なのです。

「予材管理」というのは、「予定材料状態管理」の略であることからもお分かりの通り、お客様に対して、予め仮説を立ててから行動すること、そして行動した結果のお客様の状態変化を管理していく仕組みです。

これを習慣化していないというのは、どういうことかと言うと、日本代表が強豪国であるポーランド、コロンビア、セネガルに対して、勝つための準備をせずにゲームに臨むのと同じです。

なんの準備もなしに、自分たちがやりたいサッカーをやったところで、勝てるはずがありません。(前回のブラジルワールドカップで惨敗したのは、自分たちがやりたいサッカーにこだわり過ぎていたと、識者から言われています)

勝負の分かれ目は、組織でPDCAを回せるかの差

また、サッカーにおいては、ゲーム前とゲーム中にPDCAサイクルを回しています。

(1)PLAN
先述の通り、相手の特徴を捉えたうえで、どのような戦い方をすれば勝つことができるのか、仮説を立てます。

(2)DO
選手たちは監督から与えられら役割を果たすべく、実行します。監督の指示に従わず、好き勝手にプレイしていたら、組織として成り立ちません。

(3)CHECK
仮説どおりにゲームができているかどうか、ゲーム中に検証します。ゲームの現状を正しく捉え、いかにすれば改善させることができるか、いかにすれば自分たちに有利な状況を作り出せるか、考えます。

ハーフタイムには現状を全員で共有し、後半へのアクションプランを監督が打ち出し、各人の役割を再定義します。

(4)ACTION
ゲームの状態に合わせ、改善を繰り返していきます。選手を交代したり、フォーメーションを変えたりするのもその一つです。

サッカーにおいては、このPDCAをいかに速く回せるかが重要です。

相手チームもPDCAを回し、ゲームの主導権を握ろうとしていきますので、ゲーム状況は目まぐるしく変化していきます。監督は冷静に現状と今後の展開を予測して、最適解を選手たちに示します。

その監督の指示に従って、選手たちは忠実に対応できるかということがPDCAを回すうえでは必要不可欠です。

しかし、それだけでは不十分です。選手たち自らがゲームの状況を客観的に捉え、お互いに指摘し合い、改善を繰り返していけるかが、プロの世界では勝敗の分かれ目となります。

ワールドカップもぜひPDCAサイクルという視点を持って観ていただくと、また違った楽しみ方ができるのではないかと思います。

そして、勝ったチームはどんなPDCAを回したのかという視点で振り返っていただくと、ご自身の組織やビジネスに置き換えて考えられるのではないかと思います。

サッカーもビジネスも、PDCAサイクルを自分たちでちゃんと回せるかが重要です。

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