予材管理の現場から 予材管理ブログ

なぜ水まき活動が継続できないのか

コンサルタントの山北です。

予材管理を運用するうえで、セリングプロセスに振り分けた行動を継続して行うことが必ず必要になります。

セリングプロセスとは簡単に説明すると下記の内容になります。

種まき = ポテンシャルのあると仮説を立てた顧客との初回接点によるDB化プロセス
水まき = 種まきを終了した顧客との継続的な関係構築、関係維持プロセス
収穫 = 提案、商談などの、受注に向けたプロセス
拡張 = 既存顧客内の継続受注、アップセル、関連部署へのクロスセルにつなげる収穫後顧客に対する関係維持、企業内別セクションへの関係構築プロセス

 

収穫ばかりする営業

多くの方が「営業活動=収穫」だと、とらえていますが、収穫を安定拡大させるためには、他のプロセスも常に複合的に行う必要があります。

成績が振るわず、安定しない営業パーソンの多くは、種まき、水まき、拡張活動が継続しておこなえていません。

そして、再現性なく発生する収穫フェーズの商談のみ対応しているため、予算に達成に合わせた受注量を確保することができません。

セリングプロセスの特徴として、水まきと拡張は同じカテゴリの行動になります。

どちらも、関係構築、関係維持を目的とし、相手との信頼関係構築と関係維持を行いながら、提案商談フェーズのタイミングを待つ行動です。

水まき活動は顧客に対して、どれぐらいの期間、何を何回、やれば、提案、商談にたどり着くかが顧客ごとに異なります。

時には、種まきを行ってから1カ月で、収穫プロセスにはいるものもあれば、3年、5年たってようやく収穫プロセス入ることもあります。

お客様との関係性、登場人物、意思決定タイミング、環境、優先順位など様々な顧客側の要素があり、その期間が必ず安定するものではありません。

 

水まき活動なくして、予算達成はありえない

水まき活動をしなければ、予算達成は安定化しません。よって、安定した目標予算達成を実現する予材管理では水まきの活動が必須になっています。

しかし、種まきから収穫までに非連続かつ、確率性のない水まきのプロセスを多くの営業はなかなか受け入れることができません。

成果につながらない不確実な行動を人は避けたがるという特性があるからです。

当然、非連続な活動で、確立性がないため、スタートしても確実な手ごたえを得ることは少ないです。

そうすると、このまま続けても意味が無いのではないか、別のやり方があるのではないかという不安が発生し、継続が困難になります。

結果、活動を辞めて別の方法を模索したり、今ある収穫プロセスの予材にのみ執着し、予材管理をおこなう前の状態に戻ってしまいます。

しかし、非連続性で、確立性が保たれない水まきのプロセスから発生する収穫フェーズの予材は間違いなく存在し、目標達成を安定化させます。

非連続であったとしても、プロセスが進む予材はあるからです。

その量をコントロールできるまでセリングプロセス活動のPDCAが回れば、いままで、再現性なく発生して案件のみで目標未達成がつづいていたという状況から抜け出すことができます。

さらに、経営計画に合わせた受注拡大も計画的におこなうことができるようになります。

一度その成功を体験した組織は非連続の中にある再現性を認識できていますので、継続することができます。

その状態になれば、環境の変化に対応して、常に、受注量をコントロールするセリングプロセスの活動を計画して続けることができますが、そうでない組織ではまず、継続して活動し続けることが重要です。

当然PDCAを回すなどして内容を改善していかなければなりませんが、継続できなければそもそもPDCAは回りません。

そのため、私個人の意見としては、水まき活動は目標予算達成のための活動ではありますが、目標予算達成とは少し切り分けて水まき活動を考えた方がよいのではと考えます。

手段を目的化するという言葉は良い言葉として使われませんが、水まき活動については、当然PDCAを回し、改善は必要だとしても、まず、その手段を行うことを目的として体制構築と業務付与を行わなければ継続できないのではとも考えます。

そのため、水まきプロセスの量を営業ごとにルール化し目標予算とは別に達成すべき指標として、その組織文化として行動し続ける必要があると考えます。

予材管理の活動の中で水まき活動の継続が重要だということをぜひ、感じていただければ幸いです。