予材管理の現場から 予材管理ブログ

新年度を迎える際に営業現場で取り組む3つのポイント

こんにちは。コンサルタントの小嶋です。

3月が決算期の会社も多いのではないでしょうか。今月・今年度の目標達成に向け追い込みをかけている方もいらっしゃると思います。また、3月決算の会社では4月からの新年度に向けて目標を設定する時期でもありますが、目標設定だけをしてそのまま新年度を迎えていませんか?

営業マネジャーのみなさんに質問です。会社が設定した目標が各事業部、各支店、各営業担当者に割り振られる中、みなさんの部下(営業担当者)はご自身の目標を正しく認識できているでしょうか?

ポイント1.現状と目標を認識する

現状と目標を認識すると聞いて「それはあたりまえでしょ!」と思われた営業マネジャーが大半だと思います。しかし本当にそうでしょうか?

コンサルタントとして支援に入る際に、営業担当者の方に簡単な確認テストをすることがあります。どのようなテストかというと・・・

  • 今期の会社全体の売上目標はいくらか
  • 今期のご自身が所属する支店の売上目標はいくらか
  • 今期のご自身の売上目標はいくらか

というもの。

会社全体の目標については、概ね全員が正解できます。しかしながら、支店の売上目標や個人の売上目標となると正解率はグッと下がります。

会社全体の目標は、会議などで事あるごとに耳にし目に触れるから覚えている方が多いです。しかし、支店の売上目標や個人の売上目標となると、意外と正しく認識できていない方がいます。

営業が目標を達成させるにあたり、現状の売上だけを知っていても目標が分からなければ達成しようがありません。目標金額の認識があいまいなままでは、目標達成へのスタート地点にすら立っていないのです。

売上目標の達成は、営業の醍醐味の一つ。
目標というゴールが明確だからこそ、それを達成した時の喜びは格別です。

マネジャーのみなさん、ご自身の部下が本当に目標を正しく認識しているのか、この機会に振り返っていただき、新年度の目標達成に向け全員がスタートラインに立てるように導いていきましょう。

ポイント2.4W1Hで考える

全員が現状と目標を正しく認識できたら、次に考えることは、「いつまでに・どこで・何を・いくら・どのように」です。

目標を達成させるために、やみくもに営業活動をしていても安定的に目標を達成させることはできません。予材管理では、必ず予め材料を用意しておく必要があります。

そして、予材管理は3つの予材から構成され、見込み・仕掛り・白地があります。
見込みはすでに受注しているもの、仕掛りはお客様が認識しているもの、そして白地は営業パーソンが勝手に立てた仮説を指します。

見込みについては言うまでもありませんが、仕掛りに関しても、すでにお客様が認識している上、契約が目の前に見えていることから、営業パーソンは何とかして仕掛りを見込みにしようとします。

大事なことは、営業パーソンが勝手に立てた仮説(白地)をただのアイディアで終わらせることのないよう、営業パーソンが能動的に営業活動をおこなう。
そうすることで、仮説を実際のカタチ(仕掛り)にすることです。

だからこそ、年間の売上目標に対して、

  • いつまでに
  • どこのお客さまから
  • なにを
  • いくら
  • どのように

ご購入いただくのか?を白地を含めて事前に考え、定めておくことが大切なのです。

そうすることで目標金額に対して現状どのくらい差分(空白)があるのかを正しく認識でき、また、その差分(空白)に対してどのように埋めていこうかということを、能動的に考えられるようになるのです。

ポイント3.行動計画を立てる

全員が現状と目標を正しく認識し、予め材料を定めることができたら、次は行動計画です。

予材管理では、お客さまと定期的に接触するためにKPIカウントシートを使って営業活動の予定を入力していきます。

KPIカウントシートには活動予定の印として、活動する週に「旗」マークを入力します。そうすることで「この週に、このお客さまと接触しよう!」という目印になります。

では、なぜ活動予定をたてるのか?というと活動予定を立てなければ、活動の漏れが発生してしまうからです。

定期的に会うことを事前にセットしていないと、日々、目の前に振りかかる緊急度の高い業務を優先してしまい忘れてしまうことがあります。

せっかく営業パーソンが立てた仮説も行動に移さなければ「絵に描いた餅」となってしまいます。

しかし、活動予定をたてていれば、「旗」がアラーム機能となり「今週はこのお客さま、来週はあのお客さまのところに行かなくてはいけないな」と認識することができます。

そして、週単位・月単位の全体的な行動量を把握する役割を担うことにもなります。

営業パーソンが、この週にこれくらい行動していないと来週きつくなるな、など、逆算していくことで、毎週・毎月の行動量を保持することにもつながります。

順算思考で目の前の仕事にとらわれていると、やるべきことを先延ばしにしてしまうことはよくあることです。だからこそ、逆算思考で予め行動計画をたてる必要があるのです。

新年度を迎える企業のみなさまだけではなく、営業パーソンのみなさま。ぜひ、現状と目標を正しく認識し、目標との差分(空白)に対して、「いつまでに・どこで・何を・どのように」埋めるか?を考え、その行動計画を立てた上で、4月をお迎えください。
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