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新卒採用に困っている企業様必読!大学と強固な関係を築く方法

2019年04月29日

「今、私は結婚相手を探しています! お宅のお嬢さんはもう結婚していますか? もし、まだというなら、お嬢様をご紹介いただけませんか?」

家事がひと段落した午後9時。自宅のベルが鳴った。

「誰だ?こんな時間に訪ねて来るなんて……」

訝しげに玄関の扉を開けると、ひとりの見知らぬ男が立っている。

どこかで会ったことのある人だったか?

瞬時に脳をフル回転させ、記憶を辿ってみる。

どうやら、脳のなかにはこの男の存在はないようだ。

「はじめまして、私は〇〇と申します」

やっぱりそうだ、はじめましてだ。

すると男は、突然切り出して、言った。

まさに、それが冒頭の言葉だ。

「今、私は結婚相手を探しています! お宅のお嬢さんはもう結婚していますか? もし、まだというなら、お嬢様をご紹介いただけませんか?」

私は耳を疑った。


見知らぬ男が突然やってきて発する言葉としては、出会い頭の事故のような唐突さで、私は一瞬何が起こったか理解できない状態になった。

「……あなたはこんな夜に突然やって来て、一体何を言っているんですか?」

一拍だったか、それとも二拍だったか、いやもっと時間を置いたのか、覚えていない。

ただ私は、生まれて初めて遭遇した生命体を見るかのような目で、そう尋ねた。

男はすぐさま返答しようとしている。

しかし、私はその問いに対する男の答えを待つことなく、急いで扉を締め、鍵を二重で掛けた。そして息を殺した。

「……なんだったんだ……? 今の男は……」

「夢でも見ているのか……」

「いや違う、これは間違いなく現実だ……」

恐る恐る、覗き窓から外に目をやった。

しかし、すでに男の姿はそこにはなかった。

誰だかよくわからない人が突然やってきて、「紹介してくれ」と言ってくる現場

こんにちは、コンサルタントの酒井です。

冒頭のお話、これは実際に私が体験した出来事ではありません。

フィクションです。

しかし、これに似たことは、今日も日本のいたるところで起こっています。

シチュエーションは異なるにせよ、この男のような存在は決して珍しい存在ではないのです。

私は企業の現場に入り、目標を絶対達成させるコンサルタントです。

営業組織の目標達成だけに留まらず、採用の目標達成にも取り組んでいます。

日本の企業現場は、「人手不足」が憂慮すべき問題となっています。

数々の企業経営者、採用担当者とセッションを繰り返していますが、多くの企業で人材を確保するのに大変苦労されています。

  • 「エントリーが少ない」
  • 「説明会の動員が芳しくない」
  • 「最終選考まで上がってこない」

そんなお話をよくお聞きします。

こういった状況を打破しようと、以下のような新たな取り組みを始められる企業が増えています。

  • 就職情報サイトに掲載して応募を待つだけでなく、紹介会社を利用
  • 「逆求人」のような企業側から求職者にオファーを出せるサービスを利用
  • リファラル採用(既存社員からの紹介による採用)

企業側が、「待ちの姿勢ではダメだ」と気付き、今までやったことのない「攻め」の取り組みをスタートするのはとても良いことです。

これは、新卒採用も中途採用も同じです。

あらゆる手を使い、能動的に企業側から求職者との接点を持つ動きを増やしているということです。

空中戦では就職情報サイト登録者へのDM、地上戦では合同企業説明会への出展など、いろいろありますが、

その中でも、新卒採用において、私が結果の再現性を高める取り組みとして、お勧めしているのは、学校訪問です。

あたりまえですが、大学生が所属しているのは大学です。専門学校生が所属しているのは専門学校です。

高校生が所属しているのは高校です。

ターゲットとする学校に訪問し、その学校から学生を紹介してもらえるほど、効率の良い採用手法はありません。

直接的な学生の紹介はもちろん、採用実績を作れれば、次年度以降の採用にも活かされていきます。

学校側と太いパイプを作ることほど、採用を安定的に可能にする方法は他にないと私は考えています。

母集団形成(自社へのデータベース流入)が安定化するわけですから、願ってもないことです。

しかし、安易に考えるのは危険。

学校訪問して、すぐに紹介なんてしてくれるわけがないからです。

学生の就職サポートをおこなう部署、就職課(キャリアセンター)には現在、たくさんの企業からの訪問があります。

しかし、売り手市場のいま、学校側は求人にはほとんど困っていないのがホンネ。

だから、新規の企業訪問に至っては、流れ作業のような対応になっています。

ある地方の大学には、1学年1,400人に対して、約15,000社の求人が寄せられています。

この数字を見れば、ただ行けばいいというわけでないのがおわかりになるでしょう。

ましてや、「学生さんを紹介してください」といきなりお願いするのは、もう最悪です。

これがまさに冒頭のシチュエーション。

そんなのありえないわけです。

誰だかよくわからない人が突然やってきて、「紹介してくれ」なんて。

相手の状況を知る

「結婚」というテーマと「採用」とは違う?

そんなことはありません。

親が子どもを大事にするように、学校側にとって、学生は大事な存在です。

なぜなら、教育機関もビジネスだからです。

大学を例に挙げれば、18歳人口の減少により、大学間の学生獲得競争は激化しています。

定員割れを起こす大学も続出しているのが現状。

日本私立学校振興・共済事業団の、2018年度の私立大学の入学動向調査結果によると、私立大学の定員割れは210校で、全体の36%にのぼっています。

大学が学生を獲得するうえで、アピールしなければならないのはカリキュラムだけではありません。今や就職実績です。

高校生が大学を選ぶときに重視するポイントについて調べた学研教育総合研究所の2018年の調査によると、

1位「学びたいことが学べる」
2位「就職に強い」
3位「地元から通える」

という結果でした。

「高校生の日常生活・学習に関する調査」データ元:学研教育総合研究所

高校生が大学を選ぶ理由が就職支援の充実なわけですから、大学経営者はどうするか?自ずと分かるでしょう。

力を入れるわけです、就職支援に。

数多くのメディアが大学ランキングを発表していますし、受験生たちのアンケートによる順位は、経営側の政策を左右させます。
参考:最新版!「本当に就職に強い大学」ランキング

で、大学はどのように就職支援を充実させているかと言うと、キャリア教育なんです。

具体的に言えば、授業内やインターンシップ(就業体験)をはじめとした取り組みを通じて、低学年層から就業観を育てることに力を入れています。

大学側としては、こういったキャリア支援に協力的な存在を優遇します。

関係性を築く手順

ビジネスにおいては、お客様視点を持たないといけないのは誰もが否定するものではないでしょう。

採用担当者なら、就活生に説明会でレクチャーしていることじゃないでしょうか?

じゃあ、それを実践していますか?ということです。

採用活動に必死になって、他者視点を失ってはいけません。

以上のような大学側の状況を押さえたうえで、何をすれば喜ばれるか考えてアクションをすることが大事です。

ビジネスに限らず、人間関係構築の基本は、まず相手にギブすること。

見返りを求めず、相手が求めているものをこちらが提供することです。

NLP(神経言語プログラミング)では、これを「ペーシング」と言います。

相手のペースに合わせるということですね。

そうすることで、相手はその人に対して安心します。そして信頼できる人と認めます。

ギブギブギブし続けて、信頼関係(=ラポール)を築けて初めて、相手は「自分ばかりで申し訳ない、あなたの希望も聞きますよ」という姿勢を持ちます。

好意の返報性です。

嬉しいことをしてくれた相手には、嬉しいことを返さないといけないと、人として思うわけです。

そうなって初めてお願いができます。

「実は、御校の学生さんをぜひとも当社では採用したいのです」と。

ペーシング→ラポール→リーディング

この手順を守らないのは最悪です。

いきなり、リーディングする人となんて、会いたくもないでしょう。

「いきなりウチの商品を買ってくれ!」とかあり得ないでしょう。

しかし、そんなことはわかっているのに、立場が変わって必死になってしまうと、アソシエイトしてわからなくなってしまうのも人間です。

いますぐに持つべきスタンス

長い目で関係性を築いていくスタンスが、大学訪問の基本です。

産学連携の重要性もあり、大学と一緒になって学生の教育を支援する企業ほど大学は喜びます。

そこまでは難しいと思われるかもしれませんが、すぐにできることがあります。

それは大学側に情報提供するということです。

自社を取り巻く環境の変化、業界の動向、トレンド、再編の動き、こういった一次情報を大学側はキャッチアップしておかなければ、キャリア教育もくそもありません。

求めていることなんです、大学はそういった情報を。

業界の代表として、そういった情報を提供する立場になれば、大学側は訪問を歓迎してくれます。

業界誌を持参したり、新聞の関連記事をまとめてカスタマイズして作ったり、そういった他者視点の取り組みをしているか否かです。

支援先の企業はこういった取り組みを継続してやることで、大学側のハートを掴んで離さない状態になりました。

結果は言うまでもないでしょう。

2019年卒では、大学からの紹介で、10名の採用枠のうち、7名が決まりました。

ちなみに、2年前までは0名でした。

自分が相手に提供できるコトは何かを考える

「焦らずに地道に相手が喜ぶことをやり続ける。」

「すぐに成果を求めず、まずは与えること。」

「与えるのは、相手が喜ぶこと。」

花が喜ぶのが、太陽の光や水、肥料を与えることですが、同じように、自社が提供できるコトは何なのか、それを考え抜いて、反応を見ながら、やり続けること。

やり方は無数にありますが、このスタンスを持たずに大量行動をしても、何も生み出しません。

むしろ、望まないリターンが得られてしまうリスクの方が高いです。

採用担当者がやった具体的な太陽の光、水、肥料はどういったコトなのか?

別の機会で、お伝えできればと思います。

まずは、ご自身で考えてみてください。

すぐに知りたいという方は、お気軽にお問い合わせください。実例を先行してお伝えします。

今回は、大学と強固な関係を築くうえでの手順についてお伝えいたしました。

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