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【内定承諾率を上げる】新卒採用で選ばれる企業になる面接テクニック

2019年07月01日

採用コンサルタントの酒井です。
今回は採用市場で勝つための思考と戦術について、お伝えいたします。

早速ですが、問題です。次の数字は何の数字でしょうか?

年々、増えていますね。
2014年に一気に増え、2017年に跳ね上がり、その勢いは2018年も継続しています。さあ、一体何の件数かお分かりになりますでしょうか?

インターネットで調べても、その答えは出てきません。
なぜなら、私が調べ、初めて公開する件数だからです。

その件数とは、日経新聞の記事(紙面および電子版)に登場したある「キーワード」の件数。
そのキーワードとズバリ、「人手不足」です。

記事を詳しく見ていくと、2010年は、ほとんどが中国をはじめとした海外の人手不足に関する記事、国内では介護人材不足やIT人材不足の記事がちらほら。2011年から2012年にかけては、東日本大震災の被災地での土木建設関連の人手不足に関する記事が加わります。2012年から2013年頃から、飲食業など他業界において人手不足感が拡がっている記事が増えていきます。

その後は、件数の飛躍的増加からお分かりの通り、さまざまな業界で人手不足に関する記事が一気に増えていっています。まさに、「人手不足」という言葉が、日本中の至るところで頻繁に飛び交っていることが分かります。

 

人事・採用担当者が「売れない営業」の思考になる危険

このように、毎日“採用難”にまつわる情報に触れることで、気をつけなければならないことがあります。

それは、人事・採用担当者が売れない営業パーソンと同じ思考パターンになることです。
次の会話をご覧ください。

営業担当者A「おたく、景気どうですか?」
営業担当者B「いやー、不景気ですな!」
営業担当者A「あー、おたくもですか。実は、うちもなんですよ」
営業担当者B「そうですか。今は何をやってもなかなか上手くいかないですな」
営業担当者A「本当にそうですな」

簡単に言うと、この営業Aさんと営業Bさんと同じ思考パターンになるということです。つまり、

採用担当者A「おたく、採用どうですか?」
採用担当者B「いやー、いい人財がとれないですな!」
採用担当者A「あー、おたくもですか。実は、うちもなんですよ」
採用担当者B「そうですか。今は何をやってもなかなか上手くいかないですな」
採用担当者A「本当にそうですな」

もしこのような会話をしているとしたら、ちょっとヤバイかもしれないと思った方がいいでしょう。
なぜなら、このような思考パターンになっているからです。

これは、採用できない理由を外に求めていて、「売り手市場だから採用できないのは仕方ない」と思い込んでしまっている状態です。

こうなったら、もはや思考停止。いくら「こんなやり方がありますよ」と誰かから教えてもらったところで、その情報は左から右に流れてしまうでしょう。

 

売り手市場でもいい人財を採用できる会社の共通点

同じ業界、同じ地域、同じ会社規模であっても、採用がうまくいっている会社はあります。

候補者集団が形成できなかった状態から、大学との関係性を強化したことにより、学内合同企業説明会に招待される数が増え、人数確保が安定化した会社。

選考途中の辞退、内定辞退増大で採用人数が確保できなかった状態から、会社説明会、面接、内定者フォローのやり方を改善したことにより、CVC率(歩留まり)が良くなり、採用目標を達成した会社。

採用活動も営業活動と同じです。目標に焦点を合わせ、PDCAサイクルを回し続けることで初めて、結果を出すことができるのです。逆に、PDCAサイクルを回すのを止めたら、その時点で試合終了のホイッスルが鳴ります。

採用できない理由は、必ず会社の「内」に存在します。

このことに目をそらさず、自責で捉えることがすべてのスタートラインです。始めるのに遅すぎることはありません。いい人財を集めるため、試合開始のホイッスルを鳴らすなら、今です。

10人に7人が内定辞退する時代

「67.8%」

こちらはリクルートキャリアが2019年3月29日に発表した「2019年卒の就活性の内定辞退率」※です。(3月大学卒業時)
※就職内定辞退率=就職内定辞退人数÷就職内定取得人数

上記のとおり、内定辞退率は年々高くなっています。

2019年卒の就活生は、1人当たり平均2.46社から内定が出ており、実に内定取得者の約7割が内定辞退を会社側に申し出た経験があるということです。つまり一つの会社に当てはめると、10人に内定を出した場合、3人は内定承諾したものの、7人は内定辞退したという計算となります。

これはあくまでも全体の平均ですから、採用ブランドの低い会社でしたら、さらに高い辞退率となっているケースもあるでしょう。

仮に、67.8%だとしても、10人採用したいなら、31人に内定出すことが必要な計算となります。では、31人に内定を出すとしたら、いったい何人と最終面接をしなければならないでしょうか?いったい何人を一次選考しなければならないでしょうか?エントリーは何人必要でしょうか?

こうして逆算していくと、途方もない候補者集団を形成しなければならないこととなります。

ただし、候補者集団を形成すること自体が簡単ではありませんから、内定辞退率を下げるということは、採用活動における重要指標と言えるのです。(※なお、採用基準を上げると、内定辞退率は上昇するものです。つまり、攻めた結果の内定辞退率上昇か、それともこれまでと変わらない採用基準での内定辞退率上昇かは、別物として捉えることが必要です。)

「他の会社はすべて断ってきました。ぜひ私を入社させてください」
新卒採用でも中途採用でも、このように言ってもらうのが理想です。

では、どうすれば、そんなふうに言ってもらえるでしょうか?

 

内定辞退率を下げるための対策

採用プロセスを営業のセリングプロセスの中の種まき(DBの獲得)・水まき(見極め・選ばれる理由づくり)に分解して考えてみようと思います。

1.種まき活動~就活生のDB獲得

新卒採用の場合、以下が一般的な採用プロセスとなります。

【自社PR(就職ナビサイト・イベント)】→【エントリー受付】→【会社説明会】→【選考(適性検査・1~最終面接)】→【内定通知】→【内定承諾】→【入社】

少し前までは、候補者集団形成は、就職ナビサイトとイベント(合同企業説明会)が主流でしたが、エントリー数を確保するために、年々早期化が進んでおり、前年の夏のインターンシップ実施から候補者集団形成するのがあたりまえになってきています。つまり、就職生DBを獲得するための種まき開始時期が早まっているということです。

また種まきのやり方も多様化しています。

(例)
・サイトに登録した学生情報を見て、企業側からオファーを出す「逆求人」:https://www.studenthunting.com/
・企業単位でなく、OBOGの人単位でマッチングサイト:https://matcher.jp/

自社の採用ターゲットと出会うというのは、採用活動における出発点ですから、これまでの手法(主にマスアプローチ)だけでなく、いろいろな採用手法を模索し続けることはとても大切です。能力的にも志向的にも自社とマッチした人財とコンタクトをとり、自社の存在を認知してもらう種まき活動を見直してみてはいかがでしょうか?

2.水まき活動~見極めと志望度を上げる動機づけ

続いて水まき活動です。
採用プロセスにおける水まき活動とは、種まき活動を通じて知り合った候補者のなかでも採用基準を上回るポテンシャル人財に対して、繰り返し接触するプロセスです。

繰り返し、相手の志向等について情報収集し、相手にとって有益な情報提供をすることが採用活動における水まき活動です。

主に、この水まき活動は、面接と面接外に分けられます。面接外とは文字通り面接以外の場を設定し、候補者と接触することです。内定者フォローなどがそれにあたります。

今回は面接に絞ってお話したいと思います。

内定辞退率を下げるために、面接はどのようにおこなえばいいでしょうか?その前に、そもそも面接とは何のために行うのか、その目的を整理してみたいと思います。

見極めるとは、つまり「選ぶ」ということ、動機づけるとは、「選ばれる」ためにおこなうことと考えればいいでしょう。

とくに動機づけるというのは人間にしかできないことです。見極めるのは、適性検査や各種診断でも代用が効きます。むしろ人間の判断はバイアスがかかりますので、これほどあてにならないものはありません。動機づける面接、つまり「選ぶ面接」から「選ばれる面接」を意識することが重要です。

では、どのようなやり方があるか。今回は数ある中でもとくに重要な3つをお伝えします。

 

内定承諾率を上げる採用面接のポイント

ポイント1.誰が面接官をやるか

面接官は、応募者にとって選考のなかで接触する数少ない存在です。そして最も記憶に残る存在です。面接官を通して、その会社をイメージするわけですので、とても重要な存在といえます。そのため、面接官を誰に任せるかというのは、実に重要なことです。

同じ商材を扱う営業でも、売れる人間と売れない人間はいます。つまり、採用においては面接官次第という面があるのです。

少なくとも、会社のことが好きで、これからもこの会社に貢献しようとしている人でなければ動機づけなどできるはずがありません。可能な場合には、応募者の特徴に合わせて面接官をマッチングさせることも有効です。

ポイント2.志望動機を一緒につくる

志望動機を聞くのは、面接の定番です。しかし、面接の場においてこれほど形式的で意味を持たない質問はないでしょう。

なぜなら応募者は志望動機が固まっていないからです。

ある程度準備しているのかを確認するための質問程度でやるならいいですが、志望動機の内容で合否を決めるというのはナンセンスです。初顔合わせのお見合いで、「私のことを好きな理由を教えてください」と尋ねるくらいナンセンスです。特に面接の初期段階では、会社のことをまだ好きでも嫌いでもなく、「わからない」という状態です。

面接とは、会社側が応募者を知り、応募者側が会社を知るためにあります。そして、お互いに知ったうえで、一緒に志望動機を作っていくのが面接の目的です。つまり、動機づけるというのは、志望動機を一緒に作るということです。

「あなたは、~という希望を持っています」
「当社は、~ということができる会社です」
「ということは、あなたと当社は合っています」

このように、採りたい人財に対して、面接の後半でパラフレージング(要約)してメッセージするといいでしょう。

ポイント3.どんなポイントで選んでほしいか

突然ですが、「見た目」か「中身」か、あなたが自信のあるのはどちらでしょうか?(私は見た目に自信がありませんので、中身で勝負するしかありません。)

採用活動においても、どういうポイントで選ばれたいのかを整理して、情報提供することが重要です。

給与や休日など機能的メリット(見た目)で選ばれたいなら、それでもいいでしょう。「こんな働き方をしたい」とか「こういうことができるようになりたい」という情緒的メリット(中身)で選ばれたいなら、そこを強調すべきです。

とくに情緒的メリットは、面接や選考プロセスの中で伝えるべきことです。感覚的なものですし、相手に合わせて伝えるべきことだからです。採用ページではなかなか伝えるのには限界があります。

「ありのまま」を見せるということが重要です。

選考プロセスのなかにリアルな「中身」に触れてもらう機会を作り、「この仕事を、この仲間と、この環境でやりたい」と決断できるよう、情報提供することが大切なのです。また、最近の内定辞退の少ない会社の特徴は、採用担当者やリクルーターが学生と個別に向き合い、将来のことや就職活動の相談にのってあげているということです。

採用する側が「審判員」になるのではなく、「伴走者」「応援者」になってはじめて、得られる情報が変わり、何をすれば学生のためになるかが見えてきます。

私の採用コンサルティングを行った企業様で、社長面接の際にこう言った学生がいました。

「他のすべての企業を断って、今日私はここに参りました。御社に入社させてください」

これが最高の成功事例ですね。

今回は、採用市場で勝つための思考と戦術について、とくに選ばれる面接のやり方についてお伝えいたしました。いい人財を採用するための一助となれば幸いです。

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