予材管理の現場から 予材管理ブログ

新規開拓の落とし穴にご用心~新規開拓を優位に進める3つの切り口

コンサルタントの岩山です。

このブログを読んでおられる皆さまは、「新規開拓」得意でしょうか?

以前のブログ『新規開拓が苦手……営業部の「新規開拓アレルギー」をなくす2つの切り口』でもご紹介させていただいたように、新規開拓に対して苦手意識を持つ方は少なくないようです。

ここでご紹介したいのは、2019年3月に3,360名の営業担当者・管理職を対象に弊社が実施した「日本の営業実態調査」の結果です。

「数値目標を達成できた理由」について質問すると、「新規開拓に注力した(20.2%)」のポイントが高い一方、「目標達成できなかった理由」では「新規開拓を怠った(21.2%)」のポイントが高かったのです。

これらの調査結果を踏まえると、苦手意識があろうとも、目標達成をするうえで「新規開拓」が営業のひとつのキーと言えるのではないでしょうか。

新規開拓は「釣り」と同じ

新規開拓は「釣り」に例えることができます。

多くの営業担当者が「いかによい釣り道具を持つか」、つまり新規開拓活動の中でのアプローチに注力します。

具体的に言うと、テレアポ(電話営業)時や商談時における営業トーク。ロープレを繰り返し、お客様の反論に対する切り返しトークを磨きます。

これは「いかにいい餌を釣竿につけるか」にも通ずる点です。

お客様が自社商品・サービスに興味を持ってくださるような営業トーク、あるいは「魚が餌に食いつく」ために、好印象を与える身だしなみ・マナーを、営業担当者は基本姿勢として取り入れます。

新規開拓における落とし穴

実は、ここまでのプロセスに落とし穴があります。

それは、「新鮮でおいしい魚が泳いでいそうな池を選ぶ」ことです。

釣り人とは、営業担当者である私たちです。

私たち釣り人は、釣り糸を垂らすより前に「新鮮でおいしい魚が泳いでいそうな池を選ぶ」というステップを踏むのです。

なぜなら、「わざわざ時間をかけて遠出したのに、ほとんど釣れなかった」「釣れるには釣れたが、おいしくない魚だった」ことを避けるためです。

もし、釣りをする行為そのものが目的なら、たとえ釣れなくても釣糸を垂らしている時間そのものが幸せかもしれません。しかし、「新鮮でおいしい魚を釣る」をゴールとするなら、下調べをしておいしい魚が泳いでいる「釣りポイント」を探しますよね。

営業活動も同じです。ビジネスにおいては、当然に成果を求められます。そのためには、「新鮮でおいしい魚を釣る」、つまり成果から逆算して考えるでしょう。

そこで、「新鮮でおいしい魚が泳いでいそうな池を選ぶ」のです。言い換えると、「当社がお付き合いをして、仕事をくださりそうなお客様を選ぶ」手順を踏んだ上で、釣りに臨むのです。

新規開拓を優位に進める3つの切り口

では、「当社がお付き合いをして、お仕事をくださりそうなお客様」は一体どこにいるのでしょうか?

その見極めのひとつが、「ポテンシャル」です。具体的に言うと、定量的なデータでもってポテンシャルのある先を判断します。

法人営業(BtoB)で考えた場合、

1.顧客ポテンシャル
2.エリアポテンシャル
3.市場ポテンシャル

の3つに分けることができます。

1.顧客ポテンシャル

一社ごとのポテンシャルです。
自社の業種・業態にもよりますが、例えば「売上高」「従業員数」のような定量的なデータでもって顧客のポテンシャルを推し量ります。

2.エリアポテンシャル

エリア(地域)のポテンシャルです。
「このエリアには、客観的なデータで見ると対象顧客が隣のエリアの1.4倍いる。だから、これほどのポテンシャルが見込めるだろう」とエリアでのポテンシャルで捉えます。

3.市場ポテンシャル

最後は、市場です。
お客様として定める業界の全体の市場は、「過去」どのような推移をたどり、「現在」どれほどの規模で、「今後」どのように推移するのか。こうした市場規模は、インターネットなどでも収集しやすい定量的な情報です。

その中で、「当社で100%のシェアを取るのは現実的に不可能。でも、これくらいのシェアなら獲得できそうだ」と、シェア率などの軸で市場ポテンシャルを描くことができるのです。

魚がほとんど泳いでいない池や、新鮮でない魚が泳ぐ池にいくら足を運んでも、思うような釣果は得られません。

まずは、「新鮮でおいしい魚が泳いでいそうな池」を選ぶ。そのための3つの切り口を押さえた「ポテンシャル」という考え方を、ぜひ活用してみてくださいね。