予材管理の現場から 予材管理ブログ

マネジャーが会社をダメにする?!プレイヤーから管理職への目線に上げさせる3つのポイント

コンサルタントの山北陽平です。

当社、アタックス・セールス・アソシエイツは、営業支援を通じてクライアントのトップライン(売上)拡大のサポートすることをミッションとしています。

対象は営業担当者から、中間管理職、営業責任者(社長の場合もあります)まで、包括的な支援から個別階層の支援を行っているのですが、最近のニーズは、営業管理職の指導です。

管理職の役割は重要で、実際に私たちが現場でコンサルティングに入っても、管理職の意識と行動が変わらないと、組織の成果に繋がりにくい傾向にあります。

 

なぜ、管理職がボトルネックになりやすいのか?

多くの会社で管理職の意識改革がなかなか進まない……その理由は大きく次の3つにあります。

1.プレイヤーの価値観から脱却できていない
2.自分が考える必要がないという価値観が染みついている
3.知識が足りない

 

1.プレイヤーの価値観から脱却できていない

多くの場合、営業マネジャーは、担当時代に素晴らしい成績を上げることで評価されたという経験があり、その結果を評価され管理職に昇進しています。

そのようなことから、管理職に昇格した後も、一プレイヤーとしての価値観から脱却できていないケースが少なくありません。

さらに、ほとんどの営業管理職がプレイングマネジャーであるため、自分の成績をキープしなければいけないという意識のもと、チーム・組織のマネジメントが二の次になっているのです。

私が以前、ご支援したカーディーラーの店長も、次のように話をしていました。

「自分が今まで積み上げてきたスキルや人脈を部下に引き継ぎたいとは思いません。部下といっても営業同士はライバルですから、手助けしたいとは思わないです」

当然自分も販売の責任を持つ営業担当として、成果を上げなければなりません。しかし、店長である彼に求められるのは、自分の成績ではなく、組織、つまり店舗全体の売上です。

彼の店は、常に彼は目標を達成していましたが、部下4名は全く目標が達成できていませんでした。

店長研修を通じて、営業メンバーの管理ルールと指標を達成するためのアクションを決めてましたが、再三の忠告にも関わらず、彼は部下の指導とマネジメントを行うことはありませんでした。

当然他の店の店長達は部下指導を進め、店舗での数字達成が実現しているなか、彼の店だけ全く変化もありませんでした。

出てくる言葉は「私は、成果を出しているのに、何がダメなのか」

その一点張りでクライアント企業のトップは、結局彼を店長から外す決断をし、納得のいかないその店長は会社を去ることになりました。

この事例は極端ではありますが、担当レベルが評価されることと、管理職が評価されることは、必ずしもイコールではありません。

ここまで極端な例でなくても、自分がプレイヤーだったころの価値観が変わらないために、自分の数字だけに意識が向き、部下の数字や部下育成に興味を持てず、どこか他人事になってしまう管理職も少なくないのです。

そのため、私の指導の場合には、マネジャーが自ら成果を出してもあまり評価せず、部下をマネジメントして、部下に成果を出さたことを大きく評価するようにしています。

このように評価方針を定めることで、管理職の役割と価値観を認識させることができます。

 

2.自分が考える必要がないという価値観が染みついている

成熟したビジネスモデルの中で管理職についた方や、経営者や幹部の考える方針に従いながら成果を出してきた管理職の方に多く当てはまるケースです。

成熟したビジネスモデルの中では、すでに営業活動の中で、顧客もアプローチも決まってるケースも少なくありません。そのルールや方針に従って真面目に行った結果、成果につながり、管理職に抜擢されることがあります。

また、パワーのある創業社長や経営幹部に引っ張られ、がむしゃらについていった結果、管理職に抜擢されたケースもあります。

上記のような場合には、与えられた仕事の範囲においては、考え器用にこなすことができますが、新しいミッションや、急な市場環境の変化に対応する思考ができません。

そういったマネジャーに対して、急に、

「次の時代を見据えた戦略を考えてくれ」
「働き方改革の法律に見合った時間で、成果も出る改革を行ってくれ」

と言っても、これまで誰かに考えてもらった枠の中で生きてきた人にって、未知の領域に対して、経営者や幹部が求めるレベルの回答ができません。

このようなケースにおいては、時間はかかりますが、すべて自分で考えて、PDCAを回しながら組織内で役割分担して、管理、改善する体験が必要です。

 

3.知識が足りない

自社のビジネスの領域についてはプロフェッショナルなのですが、世の中やビジネス上のトレンド、マーケティングの最新情報、マネジメントの時流など、経営者や管理職として知っておくべき情報をキャッチアップする習慣がない人も少なくありません。

そのような方は、例えば、働き方改革法でいつまでにどうしなければいけないかや、このままでは法律違反になりかねないことにすら気づいていません。

また、非効率な活動や、課題解決に今まででは実現できなかったことがすでにテクノロジーで解決していたり、競合が新しい事を実現しつつあっても、自社ではどうせできないかららと考えることすらしないケースもあります。

管理職がそのような状態では、新しい取り組みやPDCAが進まず、会社や組織そのものをダメにしてしまう可能性があります。

今回、挙げた3つに共通して言えることがあります。

それは、管理職が長年同じ立場、同じポジションになっていると、これらの価値観は強くなり、組織の衰退に繋がりやすいということです。

是非、管理職のパフォーマンスを向上させるために、

・プレイヤー感覚の脱却に繋がる評価の仕組み
・0ベースで考えるミッションの推進
・継続的な知識提供

を管理職教育として検討し、取り組んでくださいね。