予材管理の現場から 予材管理ブログ

商品力がないから売れない…は本当か?


コンサルタントの小嶋です。

2ヵ月前、夏季休暇で帰省していた時のことです。

妻がいきなり掃除機を買い替えたいと言い出しました。

平日はなかなか手が回っていないのですが、休日の掃除は私の役割になっており、私の感覚としては、今の掃除機で十分吸引力もあるし困ることは全くありません。

しかしながら、妻からすると掃除機が重く充電が切れるのが早いため、育児をしながらでは不便さがあるとのことで、掃除機を買い替えたいと言ってきたのです。

「今の掃除機でストレスが溜まるのであれば、買い替えればいいよ」と言うと、早速情報を仕入れるために、ネット検索や家電量販店に足を運び、各メーカーの商品を調べに回っていました。

正直、「そんなに今の掃除機を買い替えたいの?」と思うぐらい、今まで見たこともないぐらいの必死さで動き回っていました。

各家電量販店の店員から、各メーカーの商品説明・性能説明を聞き、妻自身が感じているストレス要因を解決できる商品は何か?また、価格面から考えて購入すべき商品なのか?を妻の基準で選定していたのです。

その結果、やっぱりこのメーカーのこの掃除機がいいということで、いざ家電量販店に足を運び、購入しようとしたのですが・・・それまで親身になって説明していただいていた店員にコロッと覆されてしまいました。

店員「何度も足を運んでいただき、ありがとうございます。奥様がお気に召す商品はお決まりになりましたか?」

妻「えぇ、ネットの情報やいろいろな量販店の店員に話を伺い、今日はこのA商品を買いにきました。」

店員「そうですか。それは何よりです。ですが、今までの奥様のお話をお伺いした中で僭越ながら私だったらこちらのB商品が奥様に最適だと思いますよ。」

妻「えっ?そうですか?」

店員「はい、奥様のご要望は○○でしたよね。奥様がお選びいただいたこちらのA商品も○○につきましては、ご要望を満たしています。ですが、B商品であれば、○○につきましては100%ご要望を満たさないかもしれませんが、□□の面でより奥様の本当のストレス要因が減るのではないかと思います。」

妻「確かに、ではB商品にします。」

私「えっ?ホントに?」

妻「うん。」

探し始めてから購入にいたるまで1ヵ月半。

これまでの時間はなんだったのかと思うぐらい、最後はあっさり決まってしまいました。

ブランド力がないから売れないと思っていませんか?

私の前職は人材サービスの会社でした。全国展開している人材サービス会社です。

お客様と話をすると「御社ほどの会社であれば・・・」「御社だったら・・・」ということを頻繁に耳にするぐらい会社のネームバリューはある会社でした。

しかしながら首都圏であれば「大手5社だから」という理由で選んでいただけることもありますが、地方に行けばいくほど「名前だけでは選んでもらい辛い」というのが実態でした。

むしろ地方はその県・そのエリアに本社を構えている企業がシェアを占めていることもざらでした。

営業担当時代も支店長になってからも、そして今でも私の中でブレていない考えがあります。

それは、売れない(選んでもらえない)理由は営業パーソン自身にあるということです。

会社のネームバリューや商品力がある会社であれば、営業は売りやすいかもしれません。

しかし、会社の名前を知っていただいていても、商品の性能が高く・機能面に優れていても、お客様に正しく伝わっていなければ売れません。

営業パーソンが持っている最大の商品は……

先に書いた通り先日、妻が決めた掃除機を購入しましたが、その帰りの道中に妻になぜ元々買おうと思っていた掃除機と違う掃除機を買ったのかを聞いてみました。

すると「まぁ、どっちでも良かったんだけど、あの店員が信用できるからかなぁ。」とのこと。

そうなんです!

実は、お客様が決定する際の重要なファクターは、目の前にしている営業なんです。

家電量販店の店員は、対応が面倒になるくらい質問する妻に対して親身になり丁寧な説明をしてくれていたのです。

だからこそ、その量販店でその店員からその店員が薦める商品を買ったのです。

営業パーソンの皆さんは、お客様にとって自分が会社の顔であり、商品であることを認識されているでしょうか?

お客様と関係を築くために定期的に接触をされているでしょうか?

ぜひ「営業力がないから」「商品力がないから」と嘆くまえに、お客様に価値を提供するまでの土台となる「関係」が築けているかを振り返ってみてくださいね。