予材管理の実施例

予材管理は「文化」。ちょっとした仕組みではありません。

森田アルミ工業株式会社

設立
1972年4月10日
資本金
3,000万円
従業員数
45名
事業内容
室内・外のアルミ建材の製造販売
オフィス家具の製造販売
その他アルミを使用したあらゆるオーダー製品の製造
WEBサイト http://www.moritaalumi.co.jp/
予材管理定着のために受けたサービス
ここがポイント!
  • 定義や運用の形が異なる点を自社風にカスタマイズして運営
  • 評価基準が「結果主義」から「予材を獲得するために今月どんな行動をしたか」へ
  • 自然と訪問件数が増え、新規開拓営業を積極的に行うなど「未来につながる行動」にフォーカス
  • 予材管理をおこなうことで、今後外部環境の変化があっても耐えうる体力ができた

予材管理を導入する前、どのような問題が起こっていましたか?

予材管理導入のきっかけは?

横山さんの本を読んで、予材管理を知ったことです。 本を読んだ2、3日後に横山さんのセミナーがあることが分かり、すぐに受講を決めました。そこで改めて話を聞いて「これだ!」と。

「当社には予材管理だ!」と思った理由は?

非常にロジカルだったからです。 セミナー受講後、私から働きかけて、社長や営業部長にも予材管理のセミナーに出てもらいました。その際もやはり同様の意見を持ったようです。2人とも「論理的で、正しい」と言っていました。

それともう1つ。 予材管理について勉強しようと、日経BPムック本を読むと、このように書いてあったんです。

「会社によって予材管理の形は違う。カスタマイズして使うもの」。

基本ルールはあれど、必ずしも型通りでなければならないことはなく、会社によって定義や運用の形が異なる点も、納得性が高かったです。自社のスタイルに沿ってカスタマイズして良いのなら、予材管理が新たな取り組みとは言え、かかるストレスを極力抑えることができるので。


予材管理を行ってみていかがでしたか?

導入はスムーズに行きましたか?

苦労がなかった訳ではありませんが、社内で衝突が起きるほどではありませんでした。

試行錯誤して、結果が出るまで時間をかけてモノにし、自社に根付かせる。そんな風土が元々あるからでしょうか。走らせながら、自社の予材管理の形を作った感じです。 短期的な売上目標を追いかける社長ではなかったことも大きいです。「まずはやってみよう」と、私たちを急かすようなことなく、余裕を持って待ってくれました。

とは言え、メンバーに予材管理を説明して、最初からスムーズにいった訳ではありません。これまでとは根本的に考え方・発想を変えなければならないので、浸透するまで時間はかかりましたね。


予材管理を活用し、どのような成果が生まれたのですか?

私が所長を務める東京オフィスが設立して3年目になりますが、毎年120%~130%で伸びています。2015年に立ち上げた東京オフィスの売上が、今期3年目で当初の約2倍になる見通しです。これは予材管理をやっているおかげと言えます。

それから、営業社員に対してもメリットがありました。

これまでは「結果主義」が蔓延していました。具体的に言うと、当月の売上で営業が評価されていたのです。もちろん目の前の売上も大事なのですが、例えば、売上規模の大きい顧客を担当するようになると一気に目標を達成できるようになる。ただそれは、営業担当者の頑張りとは言えないですよね。もちろん逆も然りで、規模の大きい顧客を他のメンバーに引き渡すと、未達成に陥る。

そんな結果主義から一転、現在は「当月の行動の実績」つまり、「予材を獲得するために今月どんな行動をしたか」で評価するようにしました。社員に聞くと、以前と比べてモチベーションが上がったとのこと。なぜなら、「頑張ったら評価される」からです。

そうすることで自然と訪問件数が増えたり、新規開拓営業を積極的におこなえるようになったりと、「未来につながる行動」にフォーカスするようになりました。


予材管理を活用するコツやノウハウ、意識している点を教えてください。

担当コンサルタントについての印象は?

「予材管理マスターコース」(2017年9月をもって終了。予材管理方針書コースに移行)を受講したのは弊社 時藤ですが、水田さんは森田アルミ工業ならではの状況・状態を汲んでくれたと聞いています。

予材管理導入を検討中の方にメッセージをお願いします。

予材管理をおこなうと、営業がやるべきことがシンプルになります。これは会社によって異なるのでしょうが、弊社の場合、「予材金額」と「予材件数」の2点を重点的にチェックしています。あとは個々の課題を毎月1、2個挙げて話し合っていますが、それで充分上手くいっています。

正直な所、競合会社には教えたくないくらい優れた手法です。ですが、予材管理は「文化」です。ちょっとした仕組みではありません。仮に競合他社がやろうと思っても真似はできないでしょうね。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

弊社は、2009年の売上が、13年前のピーク時の半分になりました。その時、やはり社内全体的に元気がなくなったのです。そこで持ち直して、2009年以降は増収となっています。

今は、次の成長ステージに向かっている所です。予材管理をおこなうことで、今後外部環境の変化があっても耐えうる体力はできたのではないかと思います。

現状としては、営業が「やればできる」という感触を掴みつつあります。全社的に浸透させている道半ばではありますが、予材管理を信じ、継続して取り組んでいきます。