「営業の一番の仕事は商談」、そう思ってはいませんか?
今月だけ何とかなれば…と考えているのであれば目の前の数字のために、商談中心の営業活動でもいいかもしれません。
しかし毎月・毎期、継続して営業目標を達成するには、営業プロセスに沿った営業計画を立て実行することが大切です。
もし、あなたの営業チームに「新規開拓リストをもらっても、すぐに使い果たしてしまう」「お客様とどう信頼関係を築いていいかわからない」営業担当者がいらっしゃるのであれば、ぜひ一緒にこのコラムを読んでくださいね。
目次
営業の4つのプロセスで営業計画を立てる
営業活動は大きく分け、4つのプロセスに分解することができます。営業の行動計画を立てる際には、この4つのプロセスに沿って営業の行動計画を立てます。
プロセス1:種まき
営業の「種まき」とは、お客様とはじめにコンタクトをとるプロセスのことです。
イベントで集客する、ホームページで資料請求を行う、新規開拓でお客様に飛び込み訪問する、リストアップしたお客様に初回の接触をするなどが、営業活動における「種まき」です。
営業の種まきはお客様ひとりに対し、1度限り。2度も3度も種まきを行うことはできません。
このプロセスで大切なのは、次のプロセスに繋げるため種をまいた場所を覚えておくこと。 お客様の住所や電話番号、メールアドレスといったお客様の情報を収集し、データベース化します。
CMや広告、チラシ配りといった一方通行の認知活動は営業の種まきには含まれません。
広告やチラシ配りは、種まき以前の土をならす活動です。広告に触れた人、チラシを受け取った人から問い合わせがあった時点ではじめて、種まきが完了です。
プロセス2:水まき
「水まき」とは、種をまいたお客様に対して、信頼関係を構築するために繰り返し接触するプロセスです。
ホームページにお問い合わせがあったお客様、展示会にいらっしゃったお客様など、種をまいたお客様に対し定期的に訪問して有益な情報をお渡ししたり、ニュースペーパーやメールマガジンを配信し、接触を続けます。お客様が何に関心をもっているか、どんな情報があると仕事や生活に役立つかをリサーチし、相手に合わせて情報を提供します。
この時、「早く受注したい」「案件化したい」からと言って、売り込みはしません。水まきの目的はお客様との信頼関係構築です。
毎月数回、数分程度の短い接触を繰り返すといった水まきによって、少しずつお客様との信頼関係が構築されていきます。そして、お客様に自社のことや商品のこと、自分の顔と名前を覚えていただき、「なんの違和感もなく、お客様と1~2分の会話ができる関係性」になってはじめて、次のプロセスに進みます。
プロセス3:収穫
「収穫」とは、いわゆる商談のことです。商品説明、見積もりの提出、提案、クロージング等はすべて収穫の一部です。
このプロセスで大切なのは、「どれくらいの期間、水をまいたら商談をもちかけていいか」を考えないことです。
いつお客様のところでニーズが発生するかは、わかりません。
しかし、プロセス2の「水まき」を定期的におこない、お客様と信頼関係を構築することで、「そういえばあの会社、〇〇を扱っていたよな。ちょっと電話で聞いてみよう」とお客様から相談してもらえるようになります。 お客様からの合図をキャッチし、具体的な商談に移ります。
プロセス4:拡張
「拡張」とは収穫したお客様(取引先・既存のお客様)から、リピートオーダーや他のサービスのお申込みをもられるように信頼を広げていくプロセスのことです。
例えば印刷会社の場合、会社案内の作成をしたお客様に対し、製品カタログも任せてもらえるよう働きかけていきます。
拡張の活動内容は、水まきと同じです。お客様目線で吟味した情報を定期的にお伝えしたり、既に導入しているサービスのフォローをおこなうことで、あなたや自社の信頼を広げましょう。
営業の行動計画を立てる際、一番大切なプロセスは?
安定的に営業目標を達成させるために重要なプロセスは「水まき」と「拡張」、つまり案件化するための関係構築です。 営業の行動計画のうち、7~8割は「水まき」「拡張」に使うように行動計画を立てていきます。
営業担当者はどうしても、「収穫」ばかりに目がいってしまいますが、収穫ばかりしていては、来期、収穫するお客様は育ちません。
営業活動の中心が収穫になっているのであれば、貯金を増やさずにお金を使うことばかりを考えている状態と同じです。どんどん余裕がなくなっていき、毎月「あぁ、今月はどうしよう…」と不安定になってしまいます。
営業の行動計画を立てる段階で、「水まき」「拡張」を優先的にスケジュールに入れ、安定した営業基盤を作っていきます。
→ 営業活動の未来まで見える化!稼ぐチームの営業マネジメント法
営業の行動計画の立て方
営業の行動計画を立てる際に重要なこと、それは「水まき」「拡張」のための活動をあらかじめスケジュールに入れることです。
具体的に案件になっていないお客様へのフォローはどうしても後回しにしがちです。ですので行動計画を立てる際にルールを決めて「水まき」「拡張」のための活動を設定します。
営業マネジメント手法「予材管理」では、次の4ステップで営業の行動計画を立てることをオススメしています。
ステップ1:お客様を50社ピックアップ
ポテンシャルのあるお客様を50社程度ピックアップします。
ピックアップする際、気をつけることは行きやすい・会いやすい・感じがいいお客様ではなく、客観的に見てポテンシャルのあるお客様です。具体的には、([年間の営業目標金額]×2)÷50ぐらいの金額を1年間で受注できる可能性のある会社です。
ステップ2:営業活動のルールを決める
ピックアップしたお客様にただしく営業フォローをおこなうために2つのルールを決めます。そのルールとは、「どれぐらいの頻度で」「最低何回」営業活動をおこなうかです。
営業フォローの頻度は「2週間に1度」「1ヶ月に1度」というように、どれぐらいのスパンでお客様をフォローするかです。頻度が低すぎると、なかなか顔を覚えてもらえなかったり、お客様が検討しているタイミングを逃してしまったりするので、ほどよい頻度でお客様を訪問します。
もうひとつのルールは、ピックアップしたお客様に最低何回、アプローチするかです。「5回」「10回」というように期限を設け、その間にお客様に本当にポテンシャルがあるかを客観的に判断します。
ステップ3:1週間単位で営業計画を作成
いよいよ行動計画の作成です。ここでのポイントは1日単位で計画を立てると、計画倒れしてしまう可能性が高くなるので、1週間単位の大雑把な行動計画を立てます。
縦軸に「ステップ1」でピックアップしたお客様をならべ、横軸に週をとり、「ステップ2」で作ったルールにのっとり行動計画を作成します。
ステップ4:営業計画の実施状況をチェックし管理
上で立てた行動計画をもとに、行動計画を実施します。営業フォローをしたら「○を●」にするなどし、行動計画を実施できているかを記録していきます。
万一、行動計画通りに営業フォローできなかった場合は「白丸のまま」にする、予定外で営業活動を行った場合はその週に「▲」を記入するなどし、ひと目で営業活動状況がわかるようにします。
お客様にポテンシャルがなかった時には…
「ステップ2」で決めた最低アプローチ回数が終わり、アプローチしたお客様にポテンシャルがないことがわかった場合、そのお客様への能動的なアプローチは中断し、お問い合わせがあれば対応する体制に変更します。
そしてリストからこのお客様を一旦外し、代わりに新たな1社をリストに追加して行動計画を立てていきます。
最低アプローチ回数はあくまでも「最低の回数」ですので、この期間に案件にするぞというものではありません。アプローチの中で、「まだ案件にはならないかもしれないけれど、この会社であれば十分にこれぐらいの金額の商談ができそうだ」と感じたお客様には引き続き、行動計画を立ててアプローチを続けます。
1枚の行動計画表で営業計画/行動管理ができる!
行動計画を立てたところで、実施するかどうかは営業担当者次第。そんなことはありませんか?
外回り中心だから、外で何をやっているかわからない。各プロセスにどれぐらい時間を割けているか把握できない。だから具体的な指導ができないと悩んでいる営業マネジャーも少なくありません。
- あらかじめ営業担当者と行動計画を立てることで、計画倒れになる要因を取り除けます
- 営業担当者が行動計画通りに営業活動できているか確認できます
- 各営業プロセスにどれぐらいの時間を割いているか確認できます
「行動計画・結果確認シート」の3つのメリット
行動計画・結果確認シート(Excel)はこちらよりダウンロードいただけますので、よろしければご活用くださいね。
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