ヒアリングでお客様のニーズを引き出すことが大切。何度もないヒアリングの機会を最大限に活かすため、準備も十分、気合もばっちり。なのに…「なかなか会話が膨らまず、何も聞き出せなかった」「いざヒアリングとなると、どう切り出していいかわからない」「お客様と話しは盛り上がったんだけど…雑談で終わってしまった」とヒアリングを終えた後に後悔した、なんてご経験はありませんか。
今回は、「お客様訪問~ヒアリング開始」「ヒアリング中」「ヒアリング終了」の3つに分け、営業担当者がヒアリングを有利に進める5つのテクニックをご紹介します。
目次
お客様訪問~ヒアリング開始
お客様が同意しやすい空気をつくるテクニック
テクニック1.イエスセット
イエスセットとは、お客様が必ず「そうですね」と同意する質問を何度も繰り返すことで、その後もお客様が同意しやすくなるという心理テクニックです。
人の特性として、「一貫性の法則」というものがあります。これは、何度も同意していると、すぐには反対しにくくなるというものです。
商談やヒアリングの際にまず、雑談をはさむ理由のひとつがここにあります。
イエスセットはこのように使います。
営業担当者:「最近、天気のいい日が続きますね」ポイントは1度や2度ではなく、3度4度とお客様に同意してもらうことです。こうすることで、お客様の心の壁がだんだんと薄くなり、その後のコミュニケーションを有利に進めやすくなります。
お客様:「そうですね」
営業担当者:「天気が良いと、どこかに出かけたくなりますね」
お客様:「本当に。先週も家族と週末、ドライブに行ってきました」
営業担当者:「それは素敵ですね!お子さんも相当、喜ばれていたんじゃないですか?」
お客様:「そうなんですよ!はしゃぎすぎちゃって、おかげで夜はぐっすり寝てくれました」
ヒアリングのハードルを下げるテクニック
テクニック2.イーブン・ア・ペニー
イーブン・ア・ペニーとは、依頼するときに極端お願いごとのハードルを下げることで、依頼したこと以上の結果を手にできたり、本命のお願いごとを通りやすくするというテクニックです。
もし、あなたが
A社営業担当者「ヒアリングのため、お時間をいただけないでしょうか?」とそれぞれ言われた場合、どの会社のヒアリングなら受けてもいいかなと思いますか?
B社営業担当者「5、6点、お伺いしたいことがあるのですが…」
C社営業担当者「1、2分ほどヒアリングにお時間をいただけないでしょうか?」
多くの方はC社を選びます。そして1、2分過ぎたとしても「2分経過したので、お帰りください」という方は、ほとんどいません。
とくに新規開拓では、まずお客様に話を聞いてもらうことが大切です。お客様の「面倒だ」「そんな時間はない」という感情をできる限り少なくするのがこのテクニックのポイントです。
ヒアリング中
ヒアリング内容を膨らますテクニック
テクニック3.クローズドクエスチョン/オープンクエスチョン
質問には「はい・いいえ」のどちらかで答えられるクローズドクエスチョンと、それ以外のオープンクエスチョンの2種類があります。
例えば、「〇〇株式会社の田中と申します。今日はお忙しいところお時間をいただき、ありがとうございます!弊社では、事務効率を上げる〇〇システムを扱っていますが、御社の営業の皆さまは事務作業に追われていませんか?」と聞かれたらどう感じますか?
たまたま営業の業務効率化に取り組もうとしている企業であれば、話を聞いてもらえるかもしれませんが、「いいえ、大丈夫です」だとか「そうですね…」と言われてしまい、その後の会話が続かないことがほとんどです。
だからといって「以前、〇〇システムの導入を検討されていると伺いましたが、その後いかがですか?」という抽象的な質問では、お客様がいろんな切り口で答えることができるため、自分が知りたかった情報じゃない答えが返ってくることも少なくありません。
「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「どのように」「いくらで」4W2Hを使って、自分がヒアリングしたい項目を確実に答えてくれる質問を設計することが大切です。話す割合は「お客様8割・自分2割」。できるだけ多くお客様に話してもらい、お客様の心の中に潜む問題点やニーズを探り当てていきましょう。
お客様から信頼・安心感を勝ち取るテクニック
テクニック4.バックトラッキング
バックトラッキングとは、お客様の言ったことを繰り返すことで、「この営業は自分の話をちゃんと聞いているんだな」「こんなに親身に考えてくれているのか!」「そうそう!本当にそれで困っているんだよ。この営業さんは良く気がつくなぁ」とお客様に信頼感や安心感を与えるテクニックです。
・お客様の言ったこと(=事実)を繰り返し、ちゃんと聞いていることを伝える3つの効果があります。
・お客様の感情を繰り返し、お客様に共感していること伝える
・お客様の話を要約し、お客様の頭を整理する
「オープンクエスチョン」で得たお客様の答えに対し、「〇〇なんですね?」「〇〇だったんですか!」と感情を乗せて繰り返すことで、お客様との会話を膨らませながら、距離を近づけていきます。
ヒアリング終了時
お客様のニーズ・認識を再チェックするテクニック
テクニック5.パラフレージング
ヒアリングも終盤。でもここでこのまま終わっては、次回にどうつなげればいいんだと悩む営業担当者も少なくありません。また、聞き出した課題をもとに提案したのに、お客様の反応がイマイチ…という経験もあるのではないでしょうか。
パラフレージングとは、ヒアリングで得たお客様の情報や問題点、課題などをメモにとり、最後に適切な表現に言い換えて、お客様にフィードバックすることです。こうすることで、お客様と認識をそろえ、次回、お客様のニーズにあった提案ができるようになります。
まとめ
今回は、「イエスセット」「イーブン・ア・ペニー」「オープンクエスチョン」「バックトラッキング」「パラフレージング」の5つのヒアリングテクニックをご紹介しました。どれも今日から簡単に取り入れられるテクニックです。
お客様のニーズを引き出すには、「お客様に信頼感を感じさせること」「お客様の言っていることを正しく理解すること」「お客様と認識を揃えること」、この3つが大切です。ぜひ、普段の営業活動に取り入れてくださいね。
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