法人営業(BtoB営業)しているけれど、受付で門前払い。やっと出会った担当者と商談したものの、反応はイマイチ…そんな経験はありませんか。
中小企業であれば、窓口で対応してくださった方がお客様ということもあります。しかし企業規模が大きくなればなるほど、窓口担当者と商品の購入を決める決裁権限者は離れていきます。なかなか窓口を突破できず商談までたどり着かない…なんてこともありますよね。
そこで今回は、法人営業(BtoB営業)のポイント決裁権限者とつながり、商談を有利に進める「ラインコントロール」をご紹介します。
目次
あなたを対応した人は本当のお客様?
「会社相手に新規開拓しているけれど、ほとんど門前払い」 「メールで担当者に展示会の案内を送っているんだけど、返信がまったくない」 「新商品のサンプルを既存のお客様に配っても、その後、発注も問い合わせも全然ない」
こんな時、「あぁ、このお客様は興味がないんだな…」と判断してはいませんか?
目の前の人の反応に一喜一憂してしまう…、その気持ちわかります。
そんなときこそ、こう自分に聞いてみてください。
「この会社でうちの商品の購入を決めるのは誰?」
もし今、出会った人でないのであれば、まずは頭に浮かんだ人につながるアプローチをはじめてみませんか。
法人営業(BtoB営業)の質を上げる方法
もし、あなたが営業支援システムを扱う会社の営業担当者だったら、
1.電話対応もしている入社5年目の営業企画部の一担当者
2.数千万円の金額を動かすことができる営業企画部の部長
どちらと会いたいと思いますか。
ほどんどの方は「2」と答えるのではないでしょうか。しかし、あなたが新規開拓したり、電話営業したときに対応してくれる人の多くは「1」です。狙っている会社の規模が大きければ大きいほど、一度や二度のアプローチで「2」のような決裁権限者に会える可能性は低くなります。
ラインコントロールとは、営業活動で出会った「1」の相手を通じて、正確かつ速やかに「2」まで繋がるために、お客様の会社をうまくコントロールする法人営業(BtoB営業)テクニックです。
ラインコントロールが法人営業(BtoB営業)成功のカギ!
営業向けのシステムを扱うA社の営業担当者が、B社の営業企画部の部長を展示会に来場してもらうために実践したラインコントロールをご紹介します。
A社の営業担当者が、新規開拓時に対応してくれたB社の担当者にメールで展示会の案内をしました。しかし、B社の担当者がみずから営業企画部の部長に「こんなイベントがあるみたいですよ」と言ってくれることはほとんどありません。多くの場合、B社の担当者からは返事がないか、「ありがとうございます」というなんとも言えないメールが返ってきます。
ラインコントロールで大切なのは、お客様に頼らず、自分で主導権をつかむことです。 相手からの返事は期待せずに、翌日、こちらから相手の担当者に電話をかけて確認します。
「8月1日にビックサイトで×××をテーマにしたイベントがあり、弊社も出展を予定しています。昨日、メールでイベントのご案内をお送りしましたが、ご覧にいただけましたか?」
イベントに来ていただきたいのは、電話口の相手ではなく「B社の営業企画部長」です。ですので、次のようにコミュニケーションを続けていきます。
「実は8月1日のイベントで、営業の社内業務を効率化する新しいソリューションを発表します。
以前、お伺いしたときに、御社の部長が『働き方改革の一環で残業削減に取り組んでいるが、日中、外に出ている営業たちが帰社後、社内業務に取り組むのでなかなか定時退社ができない』とおっしゃっておりましたので、面白いソリューションをご紹介できるかと思っております。
イベント当日は弊社以外にも、おもしろそうなブースが出展しておりますし、著名な講師による講演もあるようです。もし、ご都合がよろしければいかがでしょうか。部長にぜひ、お伝えください」
来てほしいのは、部長であることを強調します。そして次は、「対面」でお客様の反応を直接確認します。B社への水まき活動の際、イベントのチラシを担当者に直接お渡しし、念を押します。
法人営業(BtoB営業)でお客様をコントロールするコツ
それでもまだ反応がなければ、もう一度電話や訪問で「部長に来ていただきたい」という思いを伝えます。
しつこく連絡すると、相手が不快に思うのでは?とためらってはいけません。
「うちの課長がせわしなくって、『B社の部長さん、どう?』と私に聞いてくるんです。大変申し訳ありませんが、いかがですか?」
このように何度も連絡をとって、イベントの情報がB社の部長に確実に届くよう、B社の中をコントロールしていきます。
窓口担当者を飛ばして、はじめからお客様の企業の決裁権限者に会うことは難しいことです。しかし、能動的にコントロールすることで、こちらの意向を早く・確実に伝えていきます。そして決裁権限者の「イエス」「ノー」の反応を確定させることが大切です。
社内のコントロールで法人営業を成功させる
展示会などのイベントの場合、多くの企業ではブースの受付担当者と展示会の責任者、営業担当者は異なります。
自社内の連携がとれていないと、やっとの思いで来てくださったB社の営業企画部の部長に有効なアプローチがとれない…ということも少なくありません。
そこで展示会後の商談につなげるため、自社内もしっかりとコントロールしていきます。
これは営業がわずか数名しかいない中堅のITベンダーが、誰もが知っているC社にラインコントロールを実施し、数千万円規模の案件を受注した事例です。
この企業はIT関連の大型展示会にブースを出展することを決め、先ほどご紹介したようなラインコントロールでC社の専務をこの展示会に招待しました。
自社のブースに来場したC社の専務に対し、はじめに対応するのは受付担当者です。この専務が来られることを全スタッフがお待ちしていたことをお伝えし、ブースの責任者にバトンタッチします。
ブースの責任者はC社の専務を個別対応し、ブースの中を丁寧に案内します。具体的な商談には持ち込まず、その場では意見や感想をアンケートに書いていただくだけで、決して売り込みはしません。
C社の専務が帰られた後、専務を招待した営業担当者にこのアンケートを共有し、つながりのあるC社の担当者へお礼のお電話。C社の専務には、社長からお礼のお電話をするという徹底的なチームプレイを展開しました。
このようにして、このITベンダーは展示会の「受付担当」「ブースの責任者」「営業担当者」「社長」が相互に連携をとりながら、確実に展示会から商談につないでいったのです。
多くの企業は縦割りの組織になっているため、営業担当者・受付担当者・展示会の企画/実施の責任者の部署が異なったりします。そのため情報がうまく共有されずに当日、お客様の対応にヌケモレが発生したり、来場後のフォローまで時間がかかったりしてしまいます。
まとめ
BtoBの営業は、お客様と点で売り込みをするのではなく、線(ライン)でつながり、会うべき人に会い、手に入れるべき情報を集めながら組織ぐるみで関係を構築することが法人営業(BtoB営業)成功のカギになります。ぜひ、ラインコントロールを実践して、お客様の企業の「会うべき人」とつながっていってくださいね。
またラインコントロールを実践するには、実際に予材配線図という図を作成し、営業活動のヌケモレを埋めていきます。この「予材管理5つ道具ご紹介DVD」ではこの予材配線図の描き方や、予材管理を使った法人営業(BtoB営業)の実践方法などをご紹介しております。ぜひ、こちらからご確認ください。
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