新入社員の営業力を強化するロールプレイング実践方法

4月に入りましたね。今年も新人営業の育成のため先輩社員の営業に同行したり、飛び込み営業やテレアポの目標件数を与えたりと新入社員の育成計画を立てている会社も多いのではないでしょうか。

しかし入社数か月で「A社から出禁と言われてしまいました…どうしたらいいですか?」と報告してくる新入社員も毎年、いrっしゃいます。また、なかなかアポイントが取れず、「自分は営業に向いていないのでは」と悩みはじめたり、お客様から怒られ訪問をためらっている新人営業マンも少なくありません。

そこで今回は、営業マネジャーやOJT担当の皆さんに知っていただきたい「新人営業の育成ポイント」をご紹介します。


新入社員が「営業=ものを売る人」と思っていませんか?

「営業の仕事・役割って何ですか?」
これを営業未経験者にすると、ほとんどの方は「商品やサービスをお客様に紹介・販売する人」と答えます。


以前、弊社がとある大学で営業に関するキャリア教育を行なった時、学生たちに営業のイメージを尋ねると

「ノルマがキツそう」 「商品を買ってもらうために頭を下げたり、接待をしたり大変そう」 「高いコミュニケーションスキルがないと営業はできない」

などと、「営業はものを売る人、だから~」というイメージを多く持たれていらっしゃいました。


もし、新入社員の皆さんが「営業=ものを売る人」というイメージだけを抱いているのであれば、まずはそのイメージを変えることが大切です。なぜなら、「自分は営業だから、ものを売るのが仕事」と集中しすぎることが、営業活動の大切なプロセスを飛ばしたり、お客様からのクレームを発生させる原因のひとつになっているからです。


営業の役割とは?

「OK、google。コーポレートサイトを作ってくれる制作会社を探して!」「アレクサ、A4用紙頼んどいて!」

もし営業の仕事が「ものやサービスを売る」だけであれば、営業はいらなくなるでしょう。


しかし、ほとんどのモノ・サービスがWEB上で見つけられるようになったのに、営業は存在しています。なぜなら、購買の意思決定をするのも人間だからです。


いくら良い商品・サービスだと紹介されても、そのサイトが怪しい企業が運営するものだったら、購入を止めようと思いませんか?

「いつもお願いしている会社なら、アフターフォローもしっかりしているし、あの営業に相談したらもっと良い商品を紹介してくれるかもしれない…」もしこのようなことが頭をよぎれば、いつもの会社にお願いしよう!となるはずです。

つまり営業の役割とは、商品・サービスを購入いただくためにお客様と関係を構築することなのです。


しかし、「商品を売ることが仕事」と考えていると、「商品を買ってもらうこと」ばかりに意識が向いてしまいます。多くの新人営業が間違った営業活動をしてしまう原因がここにあります。


売ることに必死なあまり、お客様の状況を考えずに売り込みをしてお客様を怒らせてしまったり、受注をしたことに満足しその後のフォローがおざなりになってしまうケースが発生するのです。


新人の営業育成でチェックすべき3つのポイント

チェックポイント1:すぐに提案していないか?

新入社員が商品・サービスを買ってもらうことで頭がいっぱいで、お客様にいきなり商品案内をしていませんか?

信頼関係ができていない状態で商品を売り込んでも、買ってくれるお客様はほどんどいません。また「あの営業は来て早々、こっちの状況もお構いなしに売り込みをしていった」という印象を与えてしまいます。

相手と信頼関係を築くには「相手8割・自分2割」を目安に話そうというぐらい、まずは相手の話を聞くことが大切です。まずはお客様の状況を伺う、その上でお客様にとって有益な情報を提供する。この短い訪問を繰り返し、お客様と信頼関係を築いていくことが大切です。


チェックポイント2:お客様目線でメリットを伝えられているか?

お客様の課題感もつかめ、いよいよ提案。そんな時、どのような提案をしていますか?

例えば旅行で使うカメラを探しに電気屋に行った時、

店員A「このカメラは◯万画素でなんと40倍までズームできるんです!顔認証や手ブレ機能はもちろん、WiFi機能もついているのでとても便利です」
店員B「どんな時にお写真を撮ることが多いんですか?ご友人との旅行で!いいですね!!それでしたらこのカメラがおすすめです。ちょっと遠くの風景と一緒に友人を撮影したいときでも笑顔も風景も両方ともきれいに撮影できますし、WiFiがあればボタンひとつでインターネットに繋げるので、旅行中でも簡単に友人と写真を共有できるんですよ」
どちらのカメラがほしいと感じますか?

これはどちらも同じカメラを説明したものですが、Bの方がより使っている姿が想像でき魅力的に感じたのではないでしょうか。

新入社員の商品紹介が、商品の機能や自社独自の技術の説明になっていませんか?

それではなかなかお客様に魅力が伝わりません。そこから1つ掘り下げ、その機能や技術でお客様のどんな課題を解決できるかまで説明できるようにアドバイスしていきましょう。


チェックポイント3:行きっぱなし・やりっぱなしの営業になっていないか?

「電話をかけっぱなし」「訪問しっぱなし」「提案しっぱなし」になっていませんか?

「相手にボールは渡してあるんだし、そのうちボールが返ってくるだろう」そんな風に思っていては、進んでいた話がいつの間にかなくなってしまいます。

上でもお伝えしたように、営業の大切な仕事は「商品・サービスを購入いただくために信頼関係を構築すること」です。「この営業さん、フォローがいつも丁寧だから商品購入後もしっかりフォローしてくれるだろう」そんな風にお客様に思っていただくことが大切です。またフォローがお客様に接触する理由になります。

お客様と関係性を構築できない営業担当者は「理由がないからお客様に接触できない、だから関係構築ができない」と言う傾向にあります。フォローなど小さなネタは探せば沢山でてきます。新入社員がこの小さなアプローチを繰り返し、お客様と関係性を深めていっているか確認してみてくださいね。


ロールプレイングで会話のキャッチボール力を鍛えよう

新入社員の営業力を鍛えるためにオススメしたいトレーニング方法があります。それは「ロールプレイング」を繰り返す方法です。


「営業のロールプレイングならやっています!」という組織も多いと思いますが、そのロールプレイングが「商品説明・サービス説明」で終わっていないかチェックしてみてください。


もちろん、自社の商品をスラスラと説明できるスキルも大切です。ですがそれ以上に「お客様とキャッチボールできているか」が大切になります。

例えばヒアリングの中であらかじめ設定した課題を会話の中でいくつ引き出すことができるかといったワークや、お客様の課題を新入社員にあらかじめ伝え自社の商品でその課題をどう解決するかを提案するワークを行い、より実践に近い形でロールプレイングを行っていきます。


このようなワークを繰り返すことで、お客様目線に立ち考える癖がついてきます。難しい場合は、マネジャーや先輩社員が「こう考えれば…」という切り口を与えください。はじめは難しく戸惑っていた新入社員でも、徐々に慣れできてくることで「自分の提案でこうお客様の悩みを解決できるんだ!」と自信や営業の面白さを感じるようになります。


 

新入社員にコミュニケーション力と行動力の土台をつける

当社では若手の営業担当者を対象に、全4回でコミュニケーション力と行動力の基礎を固める研修を実施しております。

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「新人営業の教育をしっかり行いたいけれど、先輩社員も自分の業務があるからそこまで時間を割けない」「OJTや現場での指導をやりやすくする研修があれば…」「新入社員の業務効率を上げたい、ムダな行動をなくしたい」もしこのように感じていらっしゃるのであれば、ぜひご確認ください。


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